今回は異世界迷宮の最深部を目指そう10巻の感想記事をお送りします。

……9巻の記事から日が浅い?
はい。10巻時間を忘れて一気読みしました。
9巻と比較するとするするするーと読めました。9巻の答え合わせが10巻な感じなので考え込む機会が少なかったのが大きかったと思います。

結局、9巻であれこれ予想しましたが、3割(2割)くらい正解でしたね
ロードティティーの未練の正体の予想はかなり自信があったんですけどね……トホホ

今回いつもと違って一晩で感想を書き終えたのでかなり情報や書き方が乱雑しています
でも心のままに書いたので気持ちは伝わるんじゃないかなーと、そう信じています。



はい。いつも通りおことわりです。
当ブログの感想記事はネタバレだらけです
特に未読の方は記事をお読みの際はご注意ください。

DWL10

異世界迷宮の最深部を目指そう 10 (オーバーラップ文庫) Kindle版
著:割内タリサ先生
イラスト:鵜飼沙樹先生 


メインシナリオの感想に移る前に、新たにわかった事実がいくつか出てきたので、先にその辺に触れたいと思います。

まず闇の理を盗むもの、ティーダの過去
直接姿が出てきたわけではありませんが、他の守護者とセットで判明。

ティーダの存命時のフルネームは、ティーダ・ランズ
しかもローウェン・アレイス、ファフナー・ヘルヴィルシャインと肩を並べる三騎士とのこと。そりゃ強いわ。そしてルフ・ブリンガーに意思が宿っていたこともわかりました。

ティーダが生きていた時、どのようなキャラだったのかは定かでは無いですが、ローウェンと共にこれからはライナー君に力を貸してくれることが確定。
ティーダの生きていた頃ってすんごく気になっているので、これから少しずつ明らかになっていくだろうことがわかって大きな楽しみがひとつ増えました。

ファフナーは名前からしてライナー君のご先祖様ですね。
そして冒頭で今までのまとめが載っていますが、

第七十層:■■■■■・ヘルヴィルシャイン
第八十層:セルドラ・■■■■■■■■■
第九十層:■■・■■・■■■■■■
第百層:■■■■・■■■

とあるので多分第七十層の守護者がファフナーなのだと思われます。
ロードティティー……いや、ティティーと縁のあるセルドラが第八十層の守護者のようですし、各守護者は1000年前というだけでなく、南北戦争の関係者で集約されてますね……。

とすると、文字数がそのまま一致しているって前提で書いていますが、陽滝と渦波君はそれぞれ水と次元の理を盗むものなので、多分守護者になるんだと思います。おかしいんですが
とすると文字数的に第百層の守護者は、アイカワカナミ、アイカワヒタキのどっちかが入るんだろうなーと思います。ゴールがゴールなのでどっちが入っても良さげな気がしますが。

問題は余ってしまったひとり。
入らなかったほうは自ずと第九十層に入るんですが、……文字数的にこれどうやって埋めればいいんだって事態になっています。
中途半端過ぎるというか……最後の■も7文字じゃなくて6文字ですし(滝汗


少し脱線します。
8巻の感想記事では触れてなかった? っぽいんですが、火の理を盗むもの、アルティもまた1000年前に活躍した人物です。

アイド先生曰く、

「――ではさようなら、皆様。そして、アルティ。今度は想い人と一緒のようで、何よりです」
「――っ!? あ、あなた、アルティを知っているんですか……?」
「彼女は渦波様と同じ『予備の王』でした。結局、最後まで彼女を使うことはありませんでしたが――」
(8巻、位置No.1079-1082より引用)

とアルティについて語っています。
この『予備の王』とは、即ち北の国、ヴィアイシア国のロードとしての意味だと思われます。

そして使徒シス曰く、

「始祖であるはずのカナミが、こんなにも弱いのはそういうことね! ははっ、ざまあないわねっ、 私を裏切るからよ! あの戦いのあと、残っていたのはティアラとレガシィとアルティの三人だったっけ? まっ、誰がどうやってカナミを倒したかは知らないけど、偉い! 大逆転ね! 救世主勲章 を百個贈呈しちゃう! 未来永劫、遊んで暮らしてよし! あはっ、あははははっ――!!」
(8巻、位置No.1362-1366より引用)

とありました。

9巻の英雄譚と歴史書の中に描かれていた北と南の戦争で、始祖カナミは北から南に『裏切り者』として移りました。
それ以降、始祖カナミが北で現れたと思しき描写はありませんでしたので、以降の戦争時に始祖カナミはずっと南にいたものだと思われます。

それじゃあアルティはアイド先生とどのように知り合ったんだって気になったんですね。
要するに亡命したってことになりますからね……。
ましてや使徒シスの言葉が正しいならば、1000年前のアルティって結構な重要人物っぽいですし。

断片的にわかった上で新たな1000年前の謎が生まれた……そんな気がします。



ティーダの過去が明かされた以上に驚いたのがノスフィーのフルネーム。
姓がフーズヤーズ。キン肉マンのリアクション張りに「ゲェー!?」ってなりました。マジでビックリしましたね……。




それではココから10巻の感想に移ります。

まずどうしても触れざるを得ないのが9巻の感想記事がどれくらい正解だったのかの答え合わせ。

10巻の表紙絵の場面の予想→
ティティーの未練の正体の予想→×に近い△
ノスフィーの未練の正体の予想→10巻では判明せず。……まぁ描写的に×でしょうね
ティティーに対する対処方法→×
ノスフィーに対する対処方法→×

ということでほぼ壊滅状態です
割とドヤ顔で9巻の感想記事の考察部分書いていたんですが、いやー恥ずかしいですね……顔から火が出そう(滝汗

とはいえ、ティティーの未練の正体に関しては方向性はあっていて良かったです。




10巻は大きく分けて4部構成になっています。

バトル
過去回想
バトル
エピローグ

ものっすごくはしょりましたがこんな感じ。
9巻の感想記事と同じスタイルで書いていたら大変なことになっていたなぁと思います。

10巻は挿絵の比率(?)がかなり大胆な構成になっていて、終盤近くまで挿絵の枚数が極端に少なくなっています。この場面挿絵があったら良かったのにぃって場面が結構ありますねホント。
特にベスちゃんことエリザベス・ヴォルスは子供の姿、大人の姿双方挿絵がなくてかなり残念です。

その分ここぞって盛り上がる場面で挿絵が挿入されていますので、何ていうんでしょう……最小限の力で最大限の力を発揮しているというか。
エピローグのあとで何枚か挿絵が出てくるとは思わなかったのでかなり驚きました。11巻から大きく舞台が変わりますし、『現在』どうなっているのかとてもわかりやすい情報挿絵だと思います。




渦波君、ライナー君関連

渦波君は今回でかなり成長しました。
逃げない、過去と向き合う勇気を。1000年前に立ち向かう力を得ました。

 ティーダからは理不尽に負けてはいけないことを。アルティからは自分を偽ってはいけないことを。ローウェンからは自分の願いを間違えないことを。パリンクロンからは何があろうと自分は自分で あることを。ロードからは過去から逃げ出さないことを。
 ――教えてもらった。
 それが『数値に表れない数値』となって、僕を強くしてくれているのだと思っている。
(10巻、位置No.5391-5395より引用) 

だんだんと始祖カナミに近づいていってますが、しかし相川渦波という個へ着実に歩んでいます。
2人は似て非なる存在。
1000年前の負債を全て終えた時、何が待ち受けているのか非常に楽しみですね。
今まで描かれている情報だけでなく、今まで描かれていない、まだ明らかになっていない真実も山盛りでしょうし。


今回一番成長したのはライナー君では無いでしょうか。

「いける! みんな、ありがとう!」
 お礼を叫ぶ。そして、勝利の確信を持って、再度攻め立てていく。
 双剣に重ねて双剣を、二重魔法に重ねて二重魔法を、絶え間なく振るい続ける。
 その剣質は一つ一つ違って、魔法も一つ一つ独立していた。それらに対して、ノスフィーは一つ一つ光で『話し合い』をしていく暇がない。
 借り物の力だからこその優位が、そこにはあった。
 そして、これこそが僕の真の強みだと、確信する。ライナー・ヘルヴィルシャインの力は借り物だけということ。それが、ノスフィーという強大な敵を追い詰めている。
(10巻、位置No.2013-2018より引用)

散々否定され続けて辿り着いた道が、ライナー君がライナー君であることの肯定
ライナー君という生き方が、ライナー君を一番肯定してくれたっていう。

今回、ライナー君自身にやはり秘密があるっぽそうな描写がいくつかありました。
……どっちかっていうと、『ヘルヴィルシャイン』という血(魂)に何かありそう?
やはりライナー君はライナー君で1000年前と色々縁がありそうですね。
途中、手助けしてくれたのは濁された描写から、第三の人物……たぶん、ファフナー・ヘルヴィルシャイン辺りじゃないかなーと予想します。

……ライナー君のこといっぱい書けそうと思いながら書き始めると、意外と書けないですね。
文字にできないというか……数日経つといっぱい書いてそうな、そんな気持ちに近いかも?




ノスフィー関連

9巻であれこれノスフィーに関して書きましたが、10巻は割と生理的嫌悪に近い感情を抱きました。
ノスフィーが好きな人には申し訳ないんですが……。

ノスフィー自身も触れていますが、ティーダよりもよっぽど闇の理を盗むもの、のほうが合ってそうな狂気っぷりを感じました。
言葉は通じるのに会話が通じていないんですよね
パリンクロンを含めた、今まで相対する守護者のような矜持を感じられません

 アルティやパリンクロンの会話の端々からは、義理堅さを感じられた。勝利のために噓をつくこと はあれど、悪意だけで噓をつくような人間ではないと思えた。
 だが、目の前で身体をくねらせて悦ぶ少女からは、それが全く感じられない。
(10巻、位置No.481-483より引用)

ティティーも含めた今までの守護者は、目的があり、勝つために勝つための手段を採っていました。
けれどノスフィーは勝つために勝つための手段を採っているのではないんですよね。
負けないために負けないための手段を採っているんです。
だから勝つための仮定なんてどうでも良くて、今この瞬間を楽しむために負けない程度に戦っているんです。故に本気を出す必要が無いんですね。負けなかったらそれで良いんですから。

だからこそ読んでいてノスフィーに対しては申し訳ないですけど殺意に近い気持ちを抱きました。
例えるならカードゲームや対戦ゲームで舐めプしているのと同義なんですよ。相手に対する敬意を感じられないんです。
対戦相手がいるから自分がいる。
自分がいるから対戦相手がいる。
命(人生)を賭けた戦いなのに、負けない戦いをするノスフィーはわたしは嫌いです。

……でも、それだけ1000年前にノスフィーが歪む原因を作ったのは今まで描かれてる情報が正しければ、原因は始祖カナミなんですよね。
ティティーの件から察するに、ノスフィーもまた、描かれていない大きな物語があるはずです。
しかしノスフィーの物語の続きを知るのは容易では無いでしょうね……使徒シス並みにイレギュラー過ぎて自由過ぎます。使徒シスとノスフィー、性格は似ているというかキャラが似ている気がするので、タッグを組んで暗躍してそうな気がします。
11巻に出てくるのかはわかんないんですけど、パリンクロン以上に強大な敵として立ちはだかるのは間違いなさそうですね……怖すぎます。




ティティーを含めた『ヴィアイシア国』関連

ティティーの過去も判明し、ティティーの戦い方も明らかになりました。
割とガチで予想できなかったのは、『ヴィアイシア国』が早々と崩壊したこと
てっきり最終盤まで残ると思っていたんですよ。序盤でベスちゃんが『大人』の姿で出てきた時は、1000年前の遺恨を懇切丁寧に『解決』していくものだとばっかし思っていました。

割と予想通りだったのは『ロード』という立場がティティーを苦しめていたこと
ロードとして頼られれば頼られるほど、希望を抱かれると希望を抱かれるほど弱体化していくのは正解だったのでガッツポーズだったのですが、直ぐに手放すとは思いませんでした。

そして『ヴィアイシア国』の住人が幽霊でも死体でも無いにせよ、どうやって存在できているのかは疑問に思えど答えには辿り着けませんでした。
そうか……最初からこの物語は魔石が彩っていましたね……盲点でした。
だからレイナンドさんとベスちゃんがティアーレイのような光の粒子になって空に登っていく場面は絶望に近い絶句を抱きました。
生き残って欲しいと願った推しキャラが前半戦で退場したんですよ……。
復活も不可能そうな描写で、「嘘でしょ……」ってなりますよ……。

余談ですが……
一切挿絵が無いので、『成長した』ベスちゃんは盾の勇者の成り上がりのラフタリアのような感じなのかなーとか思いながら読んでいました。想像できない場合は近しいものからイメージを抱きます。


ティティーの戦い方は風属性なのでイメージし易かったです。
ただし必殺技が要するに超強いライダーキック(すんごい語弊がありますねこれ)なのは舌を巻きました。
破壊しつくした六十六層の裏が宇宙空間のような場所になったのは、もう(インフレ的に)来るとこまで来たなぁ……と乾いた笑いを浮かべながら読んでました。

「――『ここ』がっ、この妾以外に何もない虚ろな空こそが五十層! 『風の理を盗むもの』の階層 じゃ! すっからかんの妾にお似合いじゃろう!? 当たり前じゃ、妾には何もない! 急造すること もできず、拝借することもできない『ここ』こそが妾の全て!! さあっ、何もないところだが、ゆっくりと寛いでいけ! これから始まるは『第五十の試練』! 妾はそなたに勝利しっ、『ここ』を真 の平和に導いてみせる!!」
(10巻、位置No.1439-1444より引用) 

ティティーの五十層宣言は痺れましたね……。
守護者の階層宣言は毎回カッコイイなぁって思いながら読んでいるんですが、今回はダンチですね
ローウェンやパリンクロンとは違った方向でずば抜けて良かったです。
というか階層宣言こんな早いのか、と面喰いました。
今までのケースから鑑みれば、もっと後のほうで出てくると思いましたからね……。


戦闘描写はスピード感があるのに非常にゆっくりで不思議な気分でした。
速いのに早く無いという不思議な感覚です。
でもこの感覚はティティーがかつて抱いていた感覚と同じだと見立てると納得(?)しました。

レイナンドさんが早々に退場してしまった以上、勝てるとしたらアレしかないと思いました。
今回の巻でティティーとアイド先生が再会できるわけが無いんですから、勝利しても未練を果たすことは無いだろうな、とは思っていました。

ならばティティーと『和解』する方法は、ヴィアイシア城のアレしかないだろうなと。
今回9巻で抱いた予想が悉く外していますが、それでも10巻を読んでいる最中にもあれこれ考えながら読んでいき、部分的だろうが当たるとひとりドヤ顔のような気持ちになりながら読んでいました。

だからティティーを『戻す』方法が当たったのは心の中でガッツポーズを抱きました。
でもそれが容易ではないのは明らかでしたので、どうやってそうするのかはわかりませんでした。
……そう来たか、と。『次元の理を盗むもの』とはそういうこともできるのか、と。

今回で渦波君のチートっぷりはさらに1ステージ上に進みました。
そしてこの迷宮が渦波君のために用意されているのは8巻で明らかになってますが、やはり守護者と戦う順番、迷宮を攻略する順番はこれで正しいんだなという確信がより強固になりました。
ならノスフィーが未練を果たすのはティティー・アイド先生よりも後になるだろうなって予想が立ちます。と同時に10巻で一区切りついていますが、11巻以降の話も結構長い話になるだろうなって予感をヒシヒシと感じます。


さて、ティティーの一人称は『童』の時と『妾』の時があります。
どうしてこのような一人称になったのか、どうしてあのような喋り方になったのかって予想は大ハズレでした。ヤラれた……と思いましたね。
しかもティティーの過去回想、『後編』と『前編』(誤字では無いです)で印象が塗り替えられて行き、ティティーがどうしていつまでも子供のままなのか。どうしてアイド先生がティティーのことをロードとして扱っているのかって理由は想像もできませんでした。

ロードとしての歩みを散々見せたあとでアレですもの……。

『ロード』は『2人』いたんですね……。

そしてアイド先生があのようになってしまったのも無理も無いって思いました。
さらにティティーがロードとしてではなく、『ティティーというひとりの女の子』として見られなかったように、アイド先生はアイド先生で『アイドという弟』として見ることができなくなったって事実は「あああそうか!!」ってなりましたね。アイド先生を拒絶しているのはわかりきってましたけど、そもそもアイド先生を弟として認識できなくなったってのはわかりませんでした。

一方通行な話ではなく、双方向で成り立つ話だったとは……


今回、加速に加速を重ねて世界が一巡するんじゃないかって割とヒヤヒヤしていました。宇宙空間でバトルしていますし。
けどその実、ティティーの真実は加速ではなく時が止まっていたとは……。
それも精神ではなく肉体の時が強制的なゼロと無限になっていたとは……。

守護者がいかにして『理を盗むもの』に目覚めるのか今回描かれていますけど、ティティーは特殊過ぎて読んでいてひたすら悲愴を抱きました。
時間が止まりつつも先に進み、望まれぬまま祀り立てられ、力があるから降りることもできず、力があるから頼ることもできず、力があるから泣くことも許されず、全てがどんどん遠くなり、全てがどんどん遅くなり、ただひとりだけ加速していく人生(命)。

そりゃあ自分のことを唯一理解してくれたのが始祖カナミであるならば、その手を取りたくなるでしょう。ひとりぼっちの王様に、理解者はいなかったんですから……。

ベスちゃんを含めたヴィアイシア国の怒りはごもっともです。
しかし怒りの矛先は始祖カナミですが、救いの矛先はティティーではなくロードなんですから救われないですね……。

全てが破綻していたからこそ、全てを救い直す可能性がある、からあのクライマックスは凄かったです。10巻の表紙絵、そういうことだったんですね……。

10巻は終盤戦までおおよそ盛り上がりつつも暗い気持ちを抱きながら読んでいました。
しかし終盤戦、特にティティーを救い、ティティーがノスフィーに反旗を翻すところ辺りからは非常に熱い気持ちになりました。晴れやかな勝利とは行かなかったものの、今までを鑑みれば十分すぎる勝利です。

そしてこれが一番大事なのですが、『ヴィアイシア国』も『ロード』も『ティティー』も救われて、本当に良かった……と思いました。

「長かったか……?」
「うん、長かった……。とっても短くて、とっても長かったよ……」
(10巻、位置No.4998より引用)

不覚にもウルッて来ました。

「さよなら、私の友達でお姉ちゃんのティティー!――行ってらっしゃい!!」
(10巻、位置No.5056-5057より引用)

で限界を越えましたね……白旗です。参りました
いぶそうで泣いたのは6巻以来ですかね……見事にヤラれました。
悲しいのか切ないのか、嬉しいのかよくわかんない気持ちで泣きましたね。 


あとは帰ればティティーの物語は幕を閉じる……んですが、ぶっちゃけ地上に出れたことで、ティティーの『青春』はこれからが本番ですね
必然的に遅かれ早かれ別れが訪れるのは目に見えていますけど、『ヴィアイシア国』での虚無のような楽しさではなく、本当の意味で色んなことを楽しんで欲しい……そう、願うしかないです。

過去と現在が混ざり合い、ティティーのキャラが先に進み、奇妙(誉め言葉です)な魅力を持ったキャラになりました。いわゆるロリBBAとは何か違う不思議な魅力ですね。
絶望が見えた9巻に対し、希望が見えた10巻はこうも違う終わり方なのか。
似て非なるロードティティーでもティティーでも無い、新たなティティーはこうも魅力的なのかと。
思えば9巻のロードティティーは作り物感が凄かったですけど、10巻エピローグのティティーは奇妙なのに作り物巻はあまり感じないんですね。凄いキャラになりましたねティティーは……。




エピローグ関連

地上に出るのは想像していましたが、そうか、『スタート地点』に戻るとは思わなかったです。
そして懐かしい面々が出てきて思わずほっこりとした気持ちになりました。

半ば強制的に変わった世界。
半ば強制的に成長していった渦波君たち。

しかし、変わらないものもあります。
変わらない場所もあります。
変わらないからこそ、かけがえのないものもあります。
切なくなったり辛くなったり、悲しくなったり熱くなったり忙しくコロコロと心が変わっていきましたけど、10巻のエピローグは穏やかな気持ちとワクワクする気持ちで締め括られ、9巻からは想像もできないような『ハッピーエンド』を迎えて良かったです。……いや、まだ『中間セーブ』ってところなんでしょうけどね。でも今だけは6巻のエピローグのような、明るい気持ちで次巻が読める幸せを噛み締めたいと思います。




ということで異世界迷宮の最深部を目指そう、10巻の感想記事でした。
このまま引き続き11巻以降も読んでいきます。
確か6月に最新刊、14巻がリリースされるんでしたっけ。このままいけば14巻はリアルタイムで読み進められそうですし、遅れに遅れた時間を取り戻していきたいと思います。