ダンジョンと言えば何を思い浮かべますか?
洞窟、森、塔、砦、城、廃墟etc...
ダンジョンとはDungeonと書きます。元々地下牢を指す単語です。

転じて日本においてはダンジョンとは迷宮を指す単語になります。
迷宮であればそれはもれなくダンジョンになります。有名な新宿駅や梅田駅がダンジョンと呼ばれるのもある意味では正しいのです。

さて、ゴブリンスレイヤー2巻で訪れるダンジョンは水の街の地下に広がる大迷宮、巨大下水道。ダンジョンアタックですね。ゴブリン殲滅の依頼を受け、遠路はるばる遠い街を訪れることになります。

ゴブリンスレイヤー 2(GA文庫) 
著:蝸牛 くも先生
イラスト:神奈月 昇先生
ゴブリンスレイヤー2 (GA文庫)
蝸牛 くも
SBクリエイティブ
2016-05-17


ゴブリンスレイヤー2巻の感想です。
てっきりゴブリンスレイヤーと女神官の二人旅を主軸に進むかと思ったら妖精弓手ら3人組もパーティインし、5人パーティがメインで展開されます。
解散したり別行動を取ることはあれど、5人パーティの鞘に戻ります。攻守、さらにサポート体制が整い、あらゆる困難に置いて対応力のある非常に強力なパーティです。でも呪文の使用回数はやはり少ないです。Wizardryなどと違って中々増えません。

そんな彼らに剣の乙女と称される大司教かから依頼が舞い込みます。
クセの強い人ですよこの人も。

まずエロいです。
恰好がエロいです。
そして言葉選びがエロいです。しかも悪気が無いのでなおさら質が悪いです。
特にゴブリンスレイヤー、女神官との会話シーンがヤバいです。
しかし最後まで読み進めると、剣の乙女の印象が変わってくるんですよね。

ゴブリンスレイヤーはゴブリンを狩り続けたことで上から三番目の銀等級冒険者になりましたけど、対ゴブリン特化型である彼自身に秀でたスキルは無いわけです。ゴブリン特化型なのはスキルというよりも経験の裏打ちですし。

しかし剣の乙女は上から二番目、金等級冒険者です。
様々な脅威を退けた歴戦の英雄なのです。そんな彼女がわざわざゴブリンスレイヤーを指名したのです。ゴブリン殲滅の依頼を。どうして? 無論、最初は他の冒険者に依頼しました。けれど……ダメだったのです。
そこで白羽の矢が立ったのがゴブリンスレイヤー。小鬼を殺す者。

という導入を経て、巨大地下水道探索に入ります。
といっても終始ずっとダンジョン探索してゴブリンとバトルするだけではありません。
なにせゴールがわからない巨大地下水道ですから、何度か街に戻って休息取ったり補給するわけです。そういう意味で正しくダンジョン探索していると思いました。拠点とダンジョンを何度も行ったり来たりするのはWizardry想起するのでワクワクします。

水がメインのダンジョンだけあって水に関する展開が多いです。
船に乗って流れてくるゴブリンは怖いですね……。
頭の中で浮かぶイメージはヴァルキリープロファイルのダンジョンなんですけど、ああいう感じでゴブリンがワンサカ来たら怖すぎでしょ……。

RPGのように全体火力呪文で全部撃破ーなんて都合の良い話は無く、前回の感想記事でも書きましたが、リソース管理が非常に厳しいので長期戦ができない世界になっています。直ぐにピンチになるのです。

後半だったかと思います。
ゴブリンの罠にハマった時は、展開的に助からないとお話が進まないから勝つだろうという見込みが立つんですけど、じゃあどうやって助かるんだろうという予想ができなかったです。絶体絶命大ピンチですね。1巻のオーガ戦の時は絶対的な戦力差をいかに覆すか、でしたけど、2巻の大ピンチはいかに窮地を脱するかに極振りした展開で緊迫感が凄かったです。

この作品の主人公はゴブリンスレイヤーです。
けれど彼は勇者ではありません。勇者はゴブリンスレイヤーとは別に存在します。ゴブリンスレイヤーが迷宮探索をしている裏で、勇者は暗躍する者を討伐します。

ゴブリンスレイヤーと勇者、彼らに何の違いがあるのか。
簡単です。勇者は勇者たる才華に恵まれているから勇者なのです。
さらに勇者はダイスに好愛されている。

ゴブリンスレイヤーはタイトル画像、文字が小さくて見辛いんですけど、英語のタイトルがくっついています。

He does not let anyone roll the dice
彼は誰にもサイコロを振らせませんでした

ゴブリンスレイヤーはTRPG要素が非常に多いノベルです。
TRPGにおけるダイスとは、あらゆる結果・数字ををダイスを用いて判定します。
つまりダイスの運が悪ければより悪い結果に、ダイスの運が良ければより良い結果になります。

ではゴブリンスレイヤーと勇者の違いとは。
勇者はダイスに愛されていた。ゴブリンスレイヤーはダイスを振らせない立ち回りをしていた、ということになります。

これが描かれるのは物語の外側。盤上の神の視点からになります。
勇者は世界を救います。
ゴブリンスレイヤーは世界を救いません。世界が窮地に陥ったとしても、彼はゴブリン退治を優先します。彼は新たな力を授かる努力よりもゴブリン退治を優先します。
時間は等しく流れます。彼にとっての最優先はゴブリン退治なのですから。

話を戻します。
ゴブリン事件の真犯人は勇者が成敗してくれました。
けれどゴブリンが地下水道に流れてくる原因そのものは別にあります。
真犯人を倒してもシステムを壊さない限り永遠に続くのです。
そんな真犯人ですから当然ながら『用心棒』を用意しています。それが2巻のボス戦となります。
……調べて元ネタがあったことを知りました。名前見たことありましたよorz
Wizardryは結局エンパイア3、エクス2、五つの試練しかしてないのでウチの経験不足ですねハイorzlll

ボス戦というかボスモンスターは、アニメやRPG的に考えると燃えるシチュエーションを取ってくれます。どうやって倒すんだろとワクワクしました。こんなのどうやって勝つのって相手ですから奇策に期待するわけです。大満足でした。

ボス戦が終わり、システムを壊し、これでめでたしめでたし……と思ったらアレですよ。
衝撃の展開があるわけではないのです。ただ、価値観が変質します。そういうことだったのかーと。最後まで読むと今までの価値観が少し変わります。同じセリフも違った色に見えるでしょう。
人の感情とは、表層だけで測り知ることはできないのですから……。

ってことで2巻の感想でした。
ぶっちゃけ感想じゃなくて駄文の羅列になってますねハイ
けれど感想を正直に書くと、ダンジョン探索が超ワクワクしました、で終わってしまうのですよ。結構ページ数的なボリュームあるんですけど、やっていることは1巻も2巻もゴブリン退治、それ以上でもそれ以下でも無いのです。ただ、ゴブリン退治に何がくっついてくるかが変わってきます。

剣の乙女が今後再登場するか楽しみですね。
登場するならヤンデレコース一直線でしょうか。そしてゴブリンスレイヤーがクールでカッコイイ! あくまで彼の頭の中にあるのはゴブリン退治、ただその一点それだけっていう。無論、パーティメンバーによって少しずつ彼もまた変わっています。けれど本質は何も変わっていません。変わらないからこそ彼はここまで強くなれたんだなと。

そんなゴブリンスレイヤーですが3巻は色恋沙汰で、1巻、2巻とはかなり趣の違うシナリオ展開です。けれど最後まで読んだら膝を打ちました。紛れもなくゴブリンスレイヤーでした。面白いですよー。