電子の海文字の海

購入したラノベの感想を書いていきます。
主観全開、ゆるふわ感想記事になります。
主にamazon kindleさんで購入した電子書籍が対象ですが、
買えなかった場合は物理書籍の感想も書いていきます。

カテゴリ: 異世界迷宮の最深部を目指そう

2019年、感想記事五つ目になります。
いよいよパリンクロンとの因縁に決着のいぶそう8巻の感想記事です。


81AGjsDcNJL




今回は異世界迷宮の最深部を目指そうの第8巻の感想記事です。
記事にするに辺り、今回物語の核心に触れまくっていく、つまりネタバレのオンパレードになりますので内容は『続きを読む』からどうぞです。





続きを読む

2019年、感想記事四つ目になります。

長らくお待たせしました。いぶそう6巻のあとのお話、7巻の感想記事です。

いぶそう7巻表紙絵




今回は異世界迷宮の最深部を目指そうの第7巻の感想記事です。
1~3巻が第一部、4~6巻を第二部と見立てると7巻からが第三部になります。

といっても7巻は6割ギャグ、2割戦闘、2割シリアスと6巻までとは一転してサイドストーリーっぽいノリになっています。ローウェン編の涙を返して>< と言わんばかりに別の意味で涙が出そうになりました。主に笑う意味で。



感想を書く前にどちらかといえばこの感想記事を書いている自分自身に対してになりますが、いくつか疑問が浮かんだので少し振り返ります。
というか長いこと経ち過ぎて忘れた部分がいくつかあったので。
こういう時にkindleなどの電子書籍のキーワード検索って便利だなぁと思います。


Q1.ティーダに斬り落とされたはずのディアの腕はいつ復活した?
A1.2巻より、

 ディアの病衣から覗く義手が、僕にそう決意させる。
(2巻、No.631-632より引用)

彼女の右腕が義手であることは、事前にラスティアラから聞いている。
(5巻、No.2025-2026より引用)

腕が復活したのではなくて、ずっと義手なのでした
ただ挿絵で右手もパーにして地についているポーズの挿絵が4巻にあり、7巻で右手をグーにしている挿絵があるので、義手といっても神経を使って動かすことができるタイプなのだと思われます。
義手って色々タイプがありますからね……先入観で動かせないものを真っ先に浮かべちゃったのです。ちなみに斬られた右腕は2巻でアルテイ曰く、迷宮に呑み込まれたとあるので再びくっついたりする展開は多分無い……のかな?


Q2.マリアの両目は3巻で喪われているが、いつ義眼になった?
A2.4巻より

いま、マリアの両目は『義眼』になっている。
(4巻、No.65より引用)

とあるので4巻の時点で既に義眼があてがわれていた、ですね
よくよく見返すと4巻でマリアと添い寝するシーンでマリアの瞼が少し開いていますね。


Q3.感応ってどんなスキルだっけ?
A3.6巻より

「これがスキル『感応』。空気や魔力といった、この世の全てを感じ取る力らしい」
(4巻、No.3888-3889より引用) 


Q1、Q2は素で忘れてました。
大事なのはQ3、感応について。
どうしてかって7巻を読むと感応って危機管理能力の向上と錯覚しそうになるんですよね……主に別方面で。



6巻までを軽く振り返ると、パリンクロンに色々酷い記憶操作洗脳操作を行われ、無事に解けたあとでローウェンとの戦いを終え、大劇場船ヴアルフウラを脱出してリヴィングレジェンド号(ラスティアラが命名)で船出に出たのが6巻まで、ですね。

目的地はパリンクロンがいるであろう『大陸』。
渦波君は《コネクション》があるので、直接迷宮まで行かなくても迷宮にワープできます。
要するにポータルポイントですね。
ですので7巻の迷宮探索は船と迷宮を行き来することになります。
しかも《コネクション》で指定できるのは複数可能なので、7巻は懐かしい面々も出てきてプチ同窓会と化しています。

6巻から7巻を読むのにかなりの期間が空いてしまいましたが、むしろそれがプラスに働いた気がします。なんだか温かい気持ちになりました。



それでは7巻の感想に参ります。

まず7巻って精神衛生上ではとてつもなくアレSAN値直葬)なのですが、2巻の次くらいに終始平和に進むなぁと思いました。そりゃ途中水没してヤバい状況になりましたけど、渦波君はココまで進みましたし、機転や『???』もあって直ぐに乗り越えられそうって安心感があったんですね。

あと6巻までから読むのに期間が空いたことにより、渦波君ってそこまでラスティアラのこと好きだったっけ? って思いました。

そりゃ2巻からの3巻の流れであれだけのことをしでかしていますし、特別な気持ちを抱いていないことは無いと思いますけど、ラスティアラってそこまで恋愛レースをゴールしていたっけ? と違和感を抱きました。

とはいえ、他のヒロインに対する気持ちを少し整理すると、

渦波君→ディア:大切な戦友(相棒)
渦波君→マリア:妹の陽滝に似ている大切な子(元奴隷)
渦波君→スノウ:大切なパートナー
渦波君→リーパー:大切な親友

ってことで良いんでしょうかね。
こうしてデータとしてまとめると、確かに渦波君がラスティアラ以外のヒロインに向いているのって恋愛感情じゃなくて親愛感情なんですよね。

そういえば期間が空いたから浮かぶ疑問なのかもしれないんですけど、渦波君のフルネームって相川渦波、妹の名前は陽滝ですよね。

相『川』『渦』『波』
陽『滝』

……出来過ぎかな? なんかあるよなぁ絶対って勘ぐっちゃいます
渦も波も別に海が無くても可能ですから、全部淡水関係でまとまるんですよね
……海に川や滝は無い……ですよね? 水流もとい海流はありますけど。
というか前も似たようなことを書いた気が……。



7巻は6巻まででパリンクロンとの因縁以外に割と決着付いたからか終盤以外なんというか『軽い』です。
なんせ7巻の前半って渦波君のヒロインカウンセリングですからね。
リヴィングレジェンド号が速攻で沈没しそうな死亡フラグ撒き散らしまくってて抱腹絶倒しました
なんで一時的だろう平和が戻ったのに渦波君の地の文シリアスで溢れているの……。

あと『感応』が上でも書いたとおり危機管理スキルと化しています。
確かに渦波君は『???』の兼ね合いもありますし、感情を刺激し過ぎるのはとても良くないです。良くないんですがどうしてこう地雷原を歩いているみたいな感じになるんでしょうか。真の意味で渦波君に安息の日々は戻ってこないんでしょうか。

特に笑ったのは指輪のくだり
そりゃ左手の薬指は結婚指輪になりますし不味いでしょうよ。
でも指輪をプレゼントするという特別性を忘れているだなんて一周まわってうっかりさんになっちゃっていますね。
精神摩耗し過ぎてHAGEそうで心配です。
あとメディックさん(ラスティアラorディア)渦波君に胃薬を与えてください。遅かれ早かれ吐血しそうで怖いです。

ローウェン『成仏』しちゃいましたけど、まさか渦波君の心の情景描写という意味合いで再登場するとは思いませんでした。いや、意思は受け継ぎましたけどそういう方面で出てくるとは思わないですよ。もっとこう……カッコイイ戦闘場面で復活するなどして欲しくてですね……。



戦闘方面もそうですけど、今回渦波君クラフターとしての真価は発揮してもそれ以外の部分は殆どヒロイン勢に喰われちゃったなぁって思っちゃいます。
特にマリアはともかくディアが底上げされる展開はビックリしましたね……そりゃ魔力のステータスは高かったですけど、こういう活躍来るかぁと。

そしてディアが女性だと認識される場面がありましたけど、なんか不安ですよね。
傍点を付けて強調していますし。今までパリンクロンに洗脳されたり認識を変えられたりって前例がありますし、8巻以降不安ですね……。



不安と言えば少し話が前後しますが、千年前についての話が最後らへんで出てきますが、ティアラはラスティアラとリンクするのは当たり前として、使徒シスってぶっちゃけディアとリンクしますよね。こういう扱われ方していますし。
ディアのフルネームはディアブロ・シス、です。

「確か、使徒シス様は女性……だったよね?」
(7巻、No.3056より引用)

スノウがディアに対する台詞ですが、この『使徒シス』はディアが神の代行者という扱いを受けているからです。

 神父は俺を『使徒』と称し、崇拝した。
 使徒というのは、この大陸の主教になっているレヴァン教からすると、神の代行者 にあたるらしい。
(1巻、No.2820-2822より引用)

これとは別に、千年前に『使徒シス』 が存在します。
ただし、

 俺が五才となる頃には、奇跡をもたらす存在として村中に知れ渡っていた。そして、村の伝説にちなんでシスと呼ばれるようになった。
(1巻、No.2823-2824より引用)

とありますので、ディアの名前が偶然使徒シスと同じなのではなく、使徒シスと同じ名前をあてがわれた、が正解なんですよね。ディアボロは悪魔を意味する単語ですし、いわゆる後付けなのです。
 
しかし無関係とも言ってられないんですよね……。

「よろしい! ならば、ここに『使徒シス』と『始祖カナミ』の契約を認めるわ!  今日から私たちは盟友よ! ただの言葉だけではなく、『魂』と『魂』が運命の 糸によって結びついた。どれだけ離れようとも、何度生まれ直そうとも、私たちは『 呪い』によって巡り合うことでしょう。そして、このときより君たちには栄光が約束 される。『使徒』と契約するとは『聖人』となること。救国どころではなく、救世 の英雄――いえ、英雄を超えし聖なる存在として名を残すことになる! そして、『 聖人』を得たことにより、私は他二人の使徒よりも一歩先へ進むことができる!  ああ、素晴らしい! 本当に今日は素晴らしき歴史的瞬間だわ!!」
(7巻、No.3459-3465より引用)

ってあるんです。
渦波君が見ている夢の中での話ですけど、いやこれ夢じゃなくて過去にあった出来事もしくはそれにかなり近い出来事でしょ……。
ってことは渦波君は千年前の始祖カナミと同一人物って見立てるのがベターです。
さらに始祖カナミの目的が陽滝を助けることであるならば、陽滝もまた千年前の因果に関わる人物なのが確定します。

しかもこのあと、始祖カナミは他の二人と敵対しますので、『今』の関係性と不一致します。よってラスティアラとディアと敵対する展開があるのかなぁ……って思ったんですけど、よくよく考えるとこれ、4巻~5巻がぶっちゃけ敵対関係にあったようなものですよね。ってことは千年前に起こった出来事がそのままなぞらえられているのかなって勘ぐっちゃいます。ただしこれが正しいとするならば、渦波君死んじゃうんですが……。



ローウェンもティーダもリーパーも千年前に縁がある人物です。
全部千年前に繋がってくるんですよね。じゃあどうして千年経ったあとで『現在』の話が続くんだろうってことにもなってくるので益々先が怖いですね。

7巻のシリアス2割って新キャラのハインと千年前周りなんですよね。
言ってしまえば7巻って8巻に対する前座的扱いなんだと思います。
あれだけ期待値上げさせる地の文、台詞の数々が8巻でパリンクロンと決戦が始まると示唆しています。

パリンクロンがティーダの魔石を飲んでいる以上、パリンクロンが偽りの幸せ云々、そして渦波君に対して固執していること、渦波君の知らない渦波君を知ってそうな素振りがある以上、パリンクロンもまた千年前の関係者なのかな……って予想します。
ただしこのまま仮定を進めていくとパリンクロンの年齢が千歳以上になるので、前世の記憶が千年前と因果関係があるーとかそういう感じなんでしょうかね……。

というか正直なところ、異世界『転移』系だと思ったら異世界転生転移系なのか? と土台からグラついていてこの小説のジャンルどうなるんだよと困惑しています
『元の世界』こそが実は異世界転生で異世界転生から『元の世界に還ってきた』って見立てることができますし。
とはいえ夢の中の出来事が全部正しいと仮定して書いていますし、上で書いたのが全部間違いでしたーって展開も容易にあり得ますし油断(?)できませんね……。

ってか色々書きすぎてよくわかんなくなってきました。元の7巻の感想に戻ります。



7巻は6巻までと比較するとヒロインのキャラ方面が大きく掘り下げられたと思います。
バックボーンが明らかになるとかじゃなくてヒロインの性格、可愛さがさらにマシマシになったというか。ヤンデレ方面がほぼ全員悪化状態で渦波君に同情しました。

特に意外だったのがマリアとスノウ。
おふたりさん6巻までで綺麗に清算サッパリしたんじゃ無かったの……余計悪化して収拾つかなくなっているじゃないですか……渦波君どんどん追い詰められていますね。



打って変わって精神面で頼もしくなったなぁと思うのがラスティアラ。
ただし英雄願望が余計悪化してこっちはこっちで収拾付かなくなってきました。呪いの武器防具のくだりはよくわかります。
血塗られた盾を装備して戦闘をし続けると(ry
元の世界のRPGのゲームを適当に与えたらドハまりしそう。
そして渦波君のヒロインレースで色んな意味で進展しちゃいましたね。
キス展開ようやくですよ。ようやく。非常時とはいえ。
いやーキスシーンは良いものですね。挿絵の美しさも相まって凄く絵になっています。7巻を読んで良かったーって特に思った場面のひとつですね。
セラさんがガチギレしてましたけど、機転を利かせてほっぺにキスって、もう強い。強い。



ディアはなんというか躁鬱の強弱が酷くなりましたね。
マリアと犬猿の仲だったにも関わらず、今となってはマリアが精神的な柱のひとつになっているというか。
正直なところ、ディアって戦闘方面だと1巻以降パッとしない印象でしたので、7巻で大化けしたのはとても良かったと思います。
全体攻撃でチュドドドーンはRPGのお約束だと思いますが、前衛キャラから見ればああいう風に見えるんだろうなーって思うと中々渋い気持ちになっちゃいます。



リーパーはなんていうか潤滑油的な存在になりましたね。
見た目はロリですがパーティ最年長のイニシアチブ的なものを感じます。
あとアレです。挿絵のリーパーこれはヤバいでしょ
下半身全裸ですよ新キャラのワイスの一糸まとわぬ挿絵もそうですけど、今回色々攻めすぎですよ……具体的に映らなかったらこれアリなの? R指定付かないの? って別の意味で心配しちゃいます。
ハーレム系と言えばハーレム系ですけど、えっちな展開とは割と無縁に近い状態で進んでいるだけに戸惑っちゃいますよ……もう。



マリアは4~6巻が『渦波君の妹』だっただけに幸せな時間が終わりを告げ、渦波君とマリアの関係性に戻りましたが、『渦波君の妹』の記憶が失われたわけではないですので、ヒロインレースに一番積極的になっていると感じました。
あと今まで以上にはっちゃけるようになったなぁと。毒舌的な部分はそのままで戦闘方面は手段を選ばず容赦が無くなったお陰で凶悪キャラと化しています。
そしてマリアが使うのはアルテイの火属性ですから、リヴィングレジェンド号がいつ燃え上がって沈没するのかヒヤヒヤしちゃいます。
後半、敵海賊船を燃やして沈没させる展開がありますが、地の文で戻ると燃えていたーみたいな描写があったじゃないですか。
あの描写を見て、とうとう燃やしてしまったのか……と(早とちりして)頭を抱えました。



スノウは責任感が強い部分と責任感が無い部分の差が極端過ぎて「なにこのダメかわいいヒロイン」とむしろわたし、マリアが一番好きなんですがスノウに対する好感度が急上昇してしまいました
なんていうんでしょうかね……庇護欲駆られるんですよね
それでいて先手を打ってサボる打算を持ち合わせている上に、焚き付けられるとちゃんと責任感を持ってくれるっていう二面性が素敵なヒロインだと思うのです。
あとダンジョン探索方面において、水中に強いって特性が新たに出てきたのが良かったです。水没したダンジョンどうやって探索するんだよって思っていたので、なるほどスノウがここで役に立つのかーって。

そういえば迷宮探索ですけど、渦波君の推理的に迷宮そのものが探索されることを前提で造られたっぽいことが示唆されています
じゃあ誰のために用意された迷宮なんでしょうね。
最深部に行く目的は元の世界に還って陽滝と再会することですが、上述した『夢の中の過去回想』と照らし合わせ、そして探索される前提で造られたって情報を組み合わせ、さらに第三十層以降は渦波君たち以外が探索していない(到達できていない。ただし今回ワイスって例外が出てきました)ってことを組み合わせると、渦波君かパリンクロン、どっちかひとりのために用意された迷宮じゃないのかって勘繰っちゃいます。
何故なら渦波君の行動ってなんか運命操作的なことをされている描写があるんですよね。渦波君が考えて行動しているにも関わらず、全て予定調和的に進んでいるっぽそうな感じの描写があるっていう。
パリンクロンはパリンクロンで渦波君の内面部分を深層まで把握していたっぽいですし、渦波君が行動することが結果的にパリンクロンの目的に沿ってそうなんですよね。
ただし疑問に浮かぶのは、もし渦波君が腕輪の呪いを解除(破棄)しなかった場合どうしたんだろっていう。
まぁパリンクロンのことですから、破棄されてもされなくても、どっちに転んでも美味しい展開になるように仕組んでいたーで予想付いちゃうんですよね……。



今回一番掘り下げられたのはセラさんだと思います。
なんていうかこういうキャラだったの!? な感想です。
全然ポンコツじゃないのにポンコツっぽく見えました。ぬいぐるみ好きそう
リーパーに手綱を握らせておけば遠回しで渦波君がコントロールできちゃいそうですね。ギャップ萌えっていうんでしょうかね。一番可愛かった気がします。

 その後ろをセラさんに乗ったリーパーが追従する。ちなみに、リーパーのかけ声 に対して律儀にセラさんは変身前に小さく「わん」と応えていた。少し恥ずかしそう に見えるので間違いないと思う。この人はどれだけ女の子に甘いんだ。
(7巻、No.2481-2483より引用)

死ぬ……萌え死んでしまう><
あとラスティアラ寄りとはいえ、渦波君に友好的で無いのもあって比較的中立寄りで発言が出たので良いサポート役になっていると思います。
特に水着のくだりはそのとおりだと思いました。あの時、自分を勘定に入れてないのが中立寄りだなーって思ったんですね。 



エピックシーカーの面々が再登場するとは思わなかったです。
というか船出の旅なのにも関わらずフリーダム過ぎません? 《コネクション》便利過ぎるでしょってしみじみ思いました。

ちなみに一番再登場が嬉しかったのは鍛冶屋のアリバーズさんです。
アリバーズさんに限った話じゃないんですけど、こうもどうして創作物に登場する武器屋さんや鍛冶屋さんのキャラって魅力的なんでしょうね
職人肌の人に惹かれるのかしら……今まで性格的に好みじゃない人を殆ど見たことが無いんですが……。

あとグレンさんの再登場嬉しかったですね。
相変わらずグレンさんはほのぼのとしているというか、見ていてなんだか安心しちゃいますね。陽だまりのような温かさを感じます。
優しさと共に渦波君たちを心配してくれているんだなぁってほんのり感じます。
うだつが上がらないっていうとアレなんですけど、昼行燈っぽい雰囲気が素敵なんですよねぇ……人気投票開催したら男性陣の中で上位入賞しそうな気がします。



そしていよいよ新キャラ、ワイス
まず、正直書くとですね、7巻の表紙絵あるじゃないですか。
あれ下着だとおもっきし勘違いして「なんてえっちな表紙絵なんだ><」って思っていました実はショートパンツだったんですね……ううっ、恥ずかしいorz

そんなワイスですが正直なところ、指摘があるまでハインさんのそっくりさん(厳密には違う)とは思いませんでした。言われてみると確かに髪型似ているなぁって後から思ったものです。
ですがハインさんは男性でワイスは女性です。
ならワイスとハインさんの関係性って何なんだーって思ったら魔石人間だったーっていう。3巻以降久しぶりの魔石人間についてのお話が出てきました。

でもね、なんだかすんごく嫌な予感がするんですよね。
魂とは。
記憶とは。
肉体とは。
血とは。
人が、人たらしめるものとは何か。

渦波君、ラスティアラ、ディア。
この三人と千年前の因果を考えると薄ら寒いものが脳裏を過るんですよね
いやー考えすぎでしょって思うんですけど、転生なり千年前なり推理できる材料が与えられているんですよね。
予想はできるけど確証は無いっていうんでしょうかね。
渦波君も何か結論的な何かに辿り着いてそうなんですけど、どういう推理をしたのか、わたし凄く気になりますっ。

ワイスはパーティメンバーとしてパリンクロンの身内を一人挙げています。
ここで疑問。
どうしてワイスは全裸だったんでしょうかっていう。
パリンクロンに棄てられたのはわかりますよ
失敗作だったのもわかりますよ
でも全裸で迷宮に棄てる必要性がどこにあるのかっていう。

パリンクロンって享楽的な一面と打算的な一面があると思うんです。
そして3巻でわかるようにフェミニストってわけではありません。どっちかっていうと男女平等に扱うタイプです。
じゃあ全裸で棄てることのメリットってどこにあるんですかっていう。

そしてワイスを創った、ハインさんを再誕して何がしたかったのかっていう。

本当にワイスは失敗作だったんでしょうか。
本当にワイスは迷宮に棄てられたんでしょうか。

渦波君たちは《コネクション》で迷宮にポータルポイントを設置できます。
でも思い出してください。渦波君たちはどこまで迷宮を踏破していたのか、パリンクロンは大雑把に把握できたはずなんですよ。なにせローウェンとの兼ね合いがありますから。つまりワイスが迷宮に棄てられたのは事実だとして、渦波君たちに拾われることも計算に入っていたんじゃないかっていう。
じゃあどうして拾わせたのかっていうと、考えられることはいくつかあります。

まずパリンクロンの居る場所まで案内させる案内役
大陸は広いです。そしてパリンクロンが大陸のどこにいるのか、渦波君たちは把握できていません。つまりワイスを使ってショートカット、最短ルートの案内役としてうってつけなんですよね。

そしてもうひとつ考えられること。
それは『魔石人間』と『記憶』と『魂』と『肉体』の因果関係を渦波君に示すこと
ワイスは失敗作だと称されました。
失敗の理由はわかっています。渦波君の血液を使ったからです。
ではハインさんの血液を全部使えていたら成功作になったのではって予想できます。

ここで大事なのはラスティアラも魔石人間で、ティアラの降誕用に用意された魔石人間、つまり成功例であるということ。
『千年前の過去回想の夢』において、ティアラの性格はラスティアラと酷似しています

何が言いたいかってディアか渦波君のどっちか、実は魔石人間じゃないのかって疑いたくなるんですよね。
ただし

「一体、いつからこんなことを? 見たところ十代の半ばほどに見えますが……」 「いや、これは零才児の赤子だ。素体を固定できたのはつい最近だからな。確か、 生後三ヵ月くらいだったか……」
「さ、三ヶ月……? なら、なぜこんなに育って……」
 私は驚く。
 いま目の前で眠っている少女が赤子なはずはない。
「いまの魔法技術ならば可能なのだ。これを三年後の聖誕祭に間に合わせないといけないゆえ、自然と肉体年齢も引き上げることになった。始祖の予言通りの年、定められた日に、十六才の完成品を捧げる使命が我らにはある」
(3巻、No.1100-1106より引用)

とあります。
大事なのは果たして魔石人間は肉体的に成長できるのか、という点。
上の引用を参考にすると、ラスティアラって精神的な成長はしても肉体的に成長した素振りが無いんですよね。
そしてワイスが全裸で痩せこけていたとはいえ、こうして成熟した肉体だということは、魔石人間は肉体的に成長できるのか、という疑問符に対して答えが出せません

ですので渦波君にせよディアにせよ、正体が千年前の肉体を用いた魔石人間なのかどうかは結論が出せません。肉体的に成長が可能だと判断できれば確信に変えても良さそうなんですけど、今のところ成長している描写多分無いんですよね。

そもそも渦波君が魔石人間だと仮定するならば、元の世界で過ごしていた時間は、渦波君は渦波君の両親から生まれたんじゃないかって前提から破綻してしまいます
でもこれも怪しくて

 僕のせいで、妹は弱っていた。
 妹がその病気にかかった責任は、僕にある。
 それは科学的に証明できない関連性だったが、僕は自分のせいだと信じていた。 いや、信じざるを得ないほど、僕は妹にひどいことをした。
(7巻、No.3409-3411より引用)

とあります。
一体渦波君は陽滝に何をしちゃったのっていう。
この辺の描写、超常的な何かが起こったのが示唆されていますけど、魔法というよりも呪いめいていますよね。トラウマ的な何かかもしれないですけど、元の世界においても渦波君は何かしらの因果を陽滝に与えているのがわかります。
じゃあ、

 千年前の相川渦波と相川陽滝はどうなったんだ?
 いまここに一人で生きる僕は何者になる?
 千年前に兄妹がいたのならば、とうに寿命で死んでいるはずだ。
 僕の大切な妹、相川陽滝は千年も前に死んだとでも言うのか?
 この異世界でどれだけ頑張ったとしても、進む先に妹は待っていないのか?
(7巻、No.3485-3489より引用)

こっちはどうなるんだっていう。
千年前と過去の記憶が入り交じっているのが渦波君が見た夢の正体だと思うんですけど、渦波君と陽滝の関連性はただの兄妹じゃないのかっていう。
そもそも上で書いたとおり、

相『川』『渦』『波』
陽『滝』

ですから名前に対する何らかの因果関係もありそうなんですよね
ただ名前は普通親が名付けますし、水に関連する漢字をふたりに当てはめただけとも考えられます。
考えすぎかもしれないですけど、穿って疑って推理して損は無いと思うんですね。

魂の在り方とは
そもそも魔石人間って完成体がラスティアラですけど、完成体の魔石人間って歳を取ることによる死ってあるんでしょうかっていう。
それこそ完成体だから千年前から生き続けているーって路線も考えられるんですよね。



核心に向かって終盤一気に進みましたけど、結局何もかもが急ブレーキ状態で中途半端っていう。
いずれの疑問もパリンクロンと対峙した時に真相が語られないとダメだと思いますし、保留ですね……。

保留と言えば第四十層、木の理を盗む者、守護者の話も出てきました。
どんな守護者なのかまだ殆ど明かされていませんが、治療というキーワード、そして木属性(?)で第四十層は草原ってことで女性だと推理します
……アイドって名前だから可愛さを感じますし、女性っぽいと思うんですが……さて。



ってなことで中途半端な推理で申し訳ないですがあれこれ考え予想しながらの7巻の感想記事でした。お目汚しして申し訳ございません。
8巻以降についてですが実は既に購入済みです。そして8巻以降直ぐに読んでいきますので、7巻の感想記事と違って8巻以降の感想記事はそう遠く無い未来にアップできると思います。

いやー終盤で一気に盛り上がってきましたし、8巻楽しみですね。
ライナー君の成長した姿もとても楽しみです。
(おわり)


ひとりを除いた全ての役者は舞台に集う。
全てを見届けるために。全てを清算するために。全ての歯車を元に戻すために。

カナミ、ローウェン、リーパー。
三人の『親友』は、互いに互いを想っているが故に譲れない。
譲れないからこそ、それぞれの決勝戦が幕を開ける。

全ての清算が負債として襲い掛かる3巻――。
全ての清算が経験として実りをもたらす6巻――。

81Da8S8WUeL




異世界迷宮の最深部を目指そう 6 (オーバーラップ文庫)
著:割内タリサ先生
イラスト:鵜飼沙樹先生
今回は異世界迷宮の最深部を目指そうの6巻の感想です。
ネタバレ多いです。というかネタバレしかありません。本当にご注意ください。
あと『続きを読む』を設けているので察していただけるかもしれませんが、今回の感想記事、ガチのガチ、超ガチの超長文感想です(引用込みで20000文字オーバーです)。全部読むと時間潰れます。ご注意ください。


続きを読む

盤上の役者は、フウラと呼ばれる川にに浮かぶ巨大船施設、ヴアルフウラに集います。
光も闇も全てを呑み込んで。希望の光も、復讐の炎も全て、全て……。

クリップボード




異世界迷宮の最深部を目指そう 5 (オーバーラップ文庫)
著:割内タリサ先生
イラスト:鵜飼沙樹先生
今回は異世界迷宮の最深部を目指そうの5巻の感想です。
ネタバレ多いです。ご注意ください。

殆どの今まで登場した重要なネームドキャラが登場します。
相変わらずパリンクロンが雲隠れしていますが、6巻辺りできっと登場するんでしょうきっと。

意外だったのはフランリューレ御一行が再登場したこと。
まさか天上の七騎士になっていたとは……嬉しかった半面、後述しますが弟君の変容っぷりに胸が痛みました。
そりゃそうだわなと。正当性があるかは別にして、兄に引き続いて姉も奪われようとしていますものね……。何というか、2巻の苦労人気質のライナー君好きだったんですけど、ここまで性質が反転するとは……。6巻まで尾を引いていますし、円満解決は不可能にせよ、最低でもフランちゃんと仲直りする展開になって欲しいですね。

さて、5巻は何といってもスノウを再評価する流れがとても多いです。
ディアに負けず劣らず凄い依存症だった。やっぱりヤンデレじゃねーか! と思ったのは内緒。そして可愛い。ヒロインレース街道爆走中ですね。フランちゃんしか癒し枠いないのか?

スノウは2巻でもそこそこ強く、4巻でもそこそこ強い者として描かれていました。
まぁ5巻読むとひっくり返りますね。グレンに対する再評価もセットで、ラスティアラとタイ張れる希少な人物……というか最強クラスの人だったとは。

5巻の序盤にドラゴン退治の場面があるんですが、この小説ってボスモンスターを倒すと称号と称号に準じたパラメータアップがあります。
ドラゴン退治にスノウが乗り気だったのは、てっきりドラゴニュートであるスノウ自身を倒してほしい……。
つまり、現状のしがらみから逃れるために、カナミ君に自分を殺してほしい――逃避からだという想像を立てながら読んでいました。

4巻のスノウは、今まで多数の失敗を経験した辛酸たる経験からダウナーでやる気が無いキャラだと思っていました。
しかしスノウの性質は一枚岩ではないことが明らかになります。
失敗し続けた結果、何かに縋り続けないと自分を保てない一面が明らかになります。
過去がいよいよ明らかになったんですが、……そりゃそうなるよなぁと。ラスティアラの言っていることは正論なんですが、正論という名の暴力ですねあれは。あれではスノウは救えない。諭せない。
ただしラスティアラがスノウを救えるのもまた事実です。
シッダルク卿と結婚する、カナミ君と結婚する、この二つでない第三の選択肢を提示できるのは、この場において恐らくラスティアラしか存在しません。ウォーカー家という鎖から解き放たれるには、スノウ自身の力だけでは解決できないのです。ウォーカー家という体裁が壊れてしまいますから。

そしてスノウと並行するようにカナミ君自身も大きく揺らいで変化します。
正確にはゼロに向かって収束していきます。
強力なパリンクロンの洗脳が掛かっているにも関わらず、違和感と残滓から推理し、ほぼパーフェクトな正解を引き当てます。
何より前回の感想で書いていた、マリアが妹ではない事実に自力で気付けるとは……やはりカナミ君人間離れし過ぎですよ。



違和感の正体に気付き、即座に腕輪を壊そうとします。
4巻ではあれだけ壊さないように壊さないようにしていましたけど凄い変化です。
この腕輪に対する精神的ロックは、4巻でパリンクロンが述べていたと思いますが、確か妹と同列クラスに大切なものであるという認識になっているんですよね。
だから壊そうという考えに至れなかった。
けれど綻びが生まれ、真実に近づき、カギを握るのが腕輪にあるとカナミ君は気付きました。ならばあとは壊すだけです。壊すだけなんですけどこれがまた簡単には行きません。
まずは無意識下で守ろうとするオートガード。これはまぁ4巻を読んでいれば予想が付きます。

問題は腕輪自身が物凄く硬かったこと。
お陰でカナミ君の力では壊せません。しかもカナミ君に執着してしまったため、ローウェンもスノウも壊す意思がありません。
ならば頼れるのはラスティアラとディアだけです。二人を呼び出して腕輪を壊してしまえばいい……と思ったらカナミ君が4巻で築き上げてきたものすべてが立ちはだかります。
じゃあどうすれば壊せるのか……そこで舞闘大会が出てくるっていう。

美しい流れですよね。そして理に叶っている。
カナミ君が舞闘大会に進んだのは、仕組まれていたこともありますが、カナミ君が自分と向き合い、先に進むためです。

舞闘大会そのものにベット(Bet)がどんどん高く積み上げられていきます。
ローウェン、リーパー、スノウ、ラスティアラとディア、シッダルク卿、天上の七騎士、そしてカナミ君自身。全てを勝ち得るためには、全てに勝たなければいけません。
勝たなければバッドエンド、誰かは救われても誰かは救われません。
カナミ君が目指さなければいけないのは、自身も含めた全員の救済です。
だから負けられない、負けるわけにはいかないのです。

舞闘大会を主軸にしつつ、複雑に物語は展開されます。
個人的に5巻は舞闘大会をずっとし続けて血沸き肉躍るバトルパートが続くと思っていました。けれどそれは違いました。でも読んでいてとても爽快でした。
というのも読み手であるメタ視点から見れば、誰が勝つのか展開から鑑みて闘う前からわかってしまいます。でも結果に向かうためには過程が必ず存在します。その過程が、読者を魅了するのです。

特にカナミ君の最初の闘いは目を見張るものがありました。
相手はカナミ君の大ファンの魔法学院の女の子3人組。カナミ君がちょちょいと力の片鱗を見せてサクサクっと勝利すると思っていました。
でも大ファンであり、お金持ちという立ち位置を最大限に活かした、それはそれは素晴らしい闘いでカナミ君に立ちはだかります。
TCG用語でメタを張るというものがあります。
メタとは流行や相手の出方を予測し、それに有利になる戦略を用意することを指します。
これと同じことを3人組はやってのけます。
カナミ君をよく観察し、有利に運べるにはどうすればいいか、手持ちのカード(戦力)の中で、最大限の知力と戦力を用いてカナミ君に肉薄します。舞闘大会のルールも最大限に利用しますし、カナミ君が勝つことがわかっていても盛り上がっちゃいますよあれは。

ローウェンもそうです。
ローウェンの強さは4巻よりも5巻のほうがいかんなく発揮されます。
剣を極めた者、ローウェン・アレイス。枝ですら、彼の手に掛かれば名剣と化します。初戦は魅了されるでしょうあれは……相手も相応に強い分余計魅了されます。
そしてカナミ君がローウェンの剣術を次々にマスターしていくんですが、初見で全て習得とやはり人間離れした実力を発揮していきます。もうこれで何も無いただの人間でしたーなんて通用しませんよ? 身体が耐えられても脳に負荷が掛かり過ぎて耐えきれないでしょ。4巻と5巻の情報を組み合わせると、十中八九カナミ君は1000年前にも実在した人物の転生体かそれに近い存在なのは予想できます。

というかそうじゃないと説明付かないんですよ……ここまでフリがあるんですから。
それならパリンクロンの一連のやり方も納得ができます。

「カナミの兄さんが、ただの人間じゃない? そんなことはわかってる。(略)」
(3巻 位置No.4273/4599より引用)

とある以上、上記のようでなくても秘密があるのは確定ですからね。
ちなみにkindle版だと本文に対してワード検索が使えます。物凄く便利なので一度お試しあれです。

試練を乗り越えさせる、そして『以前のカナミ君』を知っている素振り。
そして次々に無理難題を押し付けるところを見ると、パリンクロンが狙っているのは、カナミ君に対して肉体的、精神的な成長を促している、導いているものだと思われます。

3巻でハインさんが亡くなり、彼の死体を利用しましたけど、彼の死そのものは貶しても侮蔑してもいないんですよね。ということは目的のために非情になれど、パリンクロンにも情があるのが汲み取れます。ただでさえトリックスター系のキャラなので読み難いんですが、全てひっくるめるとカナミ君のために行動を起こしている……としか思えません。

よくよく思い返すと、パリンクロンが本格的に絡んできたのは奴隷市場でカナミ君にマリアを買わせるためです。あの時、パリンクロンはラスティアラの命でカナミ君と接触したみたいなことを言っていますが、3巻を読むとそれは建前で、マリアを買うことがカナミ君に対する何らかのトリガーになっている節があります。
そしてマリアもまた、腕輪による洗脳を施されています。アルティのことを姐さんと親しく呼ぶ辺り、守護者として以上に何か関りがあるとも予測されます。
この時、ティーダのことはティーダとしか呼んでいませんので、関りがあるのはアルティとの間なのでしょう。無論、3巻のようにアルティがマリアを射止めていたからそう呼んでいた可能性もあります。けれどそれならマリアまで洗脳を施す必要は無いんですよね。カナミ君の記憶を好き勝手に忘れさせていたのですから。マリアのことを忘れさせれば良かったのです。

そこまでして偽物の兄妹を作って何をしたいのかっていえば、それはカナミ君に『マリアが妹ではない』と気付かせることだと予測できます。
そしてパリンクロンはニ十層と三十層の試練を受けさせると言っている以上、ニ十層の試練とは、一連の洗脳をカナミ君自身が気付いて看破する、三十層の試練とはローウェンと戦わせることだと思われます。
それぞれ精神的な成長、肉体的な成長が促されます。そうまでしてパリンクロンが得たいものとは、成長したカナミ君そのものなんでしょう。
では成長したカナミ君に何を求めるのかって話になりますけど、結局最深部を目指すことに収束されてしまいます。1000年前にカナミ君が実在したのであろう事実から1000年前のカナミ君に近付けさせたいのかもしれないですね。
4巻において、ローウェンとパリンクロンに会話の機会は恐らく無かったので、『1000年前のカナミ君』を元々パリンクロンは知っていたことになります。
そうじゃないと

「カナミの兄さんが、ただの人間じゃない? そんなことはわかってる。(略)」
(3巻 位置No.4273/4599より引用)

と繋がらないですからね。
異邦人である事実のみなら最初から突きつければいいんですから。

鍵を握るのは恐らく立ち会ったレイルさんなんでしょうね。
ただレイルさんの立ち位置がいまいちわからないんですよね。
カナミ君を助けたいとしつつもパリンクロンに協力的ですし……。
レイルさんも得する『実験』って一体何なんだろうと思ってしまいます。
それこそ『英雄』を作り出すこと、エピックシーカーの存在意義そのもの……くらいしか思い浮かびません。



長いこと脱線しましたが話を戻します。
もしもローウェンとカナミ君が1000年前に元々知り合いだったのだとすると、リーパーとカナミ君も元々知り合いだったことになります。
となるとリーパーがカナミ君と波長が合うような描写があるのも納得です。
というかココまで推理すると、『今いる世界』から見た『元の世界』って何なんだろうって思ってしまいます。それこそ元の世界がカナミ君から見ての異世界転生みたいになっちゃいますからね。

ごちゃごちゃした文章で申し訳ないです。
時間を掛ければもっとシュタッとした綺麗な感想を書けると思うんですが、他にも色々立て込んでいるのでそんなに時間を割けないのです。

さて、上で書きましたがフランリューレ御一行が再登場したのはとても嬉しいです。
でもライナー君が復讐者の道を歩んでしまったのはとても残念です。彼から見たハインさんがそれだけ大きい存在だったってことは明らかですし、カナミ君の言うとおりパリンクロンにまず復讐するのが筋道だと思うんですけどね……。
この再会もイレギュラーだったようですし、燻っていた復讐の炎が再点火したら、それはもう止められませんよねと。相討ち覚悟で挑んできていますもの……あとを考えない攻撃はとても厄介です。『いのちだいじに』ではなく、『ガンガンいこうぜ』ですからね。カナミ君を、ラスティアラを殺せさえすれば彼の目的は成就されるっていう。

怖いのはローウェンがライナー君を連れ去ってしまったこと。
ってことは6巻も十中八九ライナー君の復讐劇は続きます。
カナミ君とローウェンが決勝戦で当たる裏で、ラスティアラ&ディア VS スノウ&ライナー君が展開されるんだろうなーと予想できます。
スノウは揺さぶられていますがまだ心が折れ切ったわけではないですからね……。
諦めないで何か次の手筈を打って来るでしょうきっと。
スノウから見れば二人を殺したいのですから、ライナー君とも利害が一致してしまっていますからね……。



5巻を読んで一番意外だったのは、まさかのカナミ君がボスポジションになったこと。
腕輪壊してめでたしめでたしにはならないだろうなーと思っていましたけど、いやー凄かったです。あの挿絵、カナミ君ゾンビか亡霊かおどろおどろしいアンデットと化していますよ……怖すぎです。
そして激戦を終えてラスティアラがグーをカナミ君に見せる挿絵ですよ。
……あれ? ラスティアラこんなに可愛いの!? っていう。
個人的に異世界迷宮の最深部を目指そうのヒロインレースは、

マリア>スノウ>ラスティアラ>ディア

だったんですけど5巻を読み終えると混戦模様で不等号どうしたらいいのかわからなくなりました。
1巻以降、ディアはどちらかというとヒロインレースから一歩退いた立ち位置だったんですけど、5巻のデートシーン、カナミ君に対する依存性の現れのシーンで返り咲いたというか、2、3巻で沢山出番があったマリアと入れ替わるようにディアのヒロイン力がマシマシになっているんですよね。どっちかっていうとフランと問答しているああいう場面のほうが個人的には好きなんですけど、守りたい、この笑顔というか……よくわかんないや。



さて、カナミ君の記憶は戻りました。
でも『エピックシーカーのアイカワカナミ君』がいなくなるわけではありません。
ジークでもなく、カナミ君でもない、混じり合った第三のカナミ君が誕生したというか。

4巻の行動を散々反省するシーンは大変良かったです。
最善を尽くしているようでそうではないことを自分ツッコミで罵倒しまくるの、凄く良いです。4巻を読み返したくなるような描写です。素晴らしい。
いや実際その通りだろと思っちゃいますよね。特に三十層に落下するところは、かつてティーダやアルティと戦ったことがあるんだから、あれは死にに行くようなものですし。

そして反省してもそれを汲み取り、次に活かす。
関係性が無くなるわけではありません。記憶を取り戻し、先に進むために全て乗り越える……カナミ君が行うのは、ただその一点のみです。

6巻はいよいよ決勝戦、対ローウェン戦です。
記憶が戻ってもリーパー、スノウの問題が残っていますし、積まれたベットは半数近く残っています。カナミ君は運命という名のルーレットを廻し、どういう結果を勝ち取るのか……期待、ですね。

ってことで5巻の感想でした。
4巻は中だるみっていうと少し違うんですけど、特に前半は盛り上がりに欠けるところがあったので、5巻は最初から最後までクライマックスというか、見せ場の連続でとても観ていて気持ち良かったです。というか数日に分けて読むつもりが一晩で読んじゃいましたからね……小説に宿る魔力は恐ろしいのです。

英雄に憧れる者
英雄を目指す者
英雄に縋る者
英雄像を否定したい者


なんかアレですね。第三部は英雄がキーワードになっている節がありますね。



さて6巻の感想ですが少し間が空きます。
先に他の小説で読みたいものがあるので、そっちの感想が多分先になると思います。
多分。まだウチが6巻を買っていないのもあるんですが……6巻の感想はのんびりお待ちくださいです。


1巻が第一部。
2、3巻が第二部。
と見立てると4巻からは第三部ってことになるんでしょうかね。舞台が一新され、ジークの名を棄て、アイカワカナミとしての冒険が幕を上げます。

偽りの平穏。偽りの楽園。
虚飾に覆われた天蓋の下でカナミ君は新たな出会いを紡いでいきます。

先にお断りをさせていただきます。
今回3巻までの確認も含めていくので、今まで以上にネタバレが酷いです。ご注意ください。





異世界迷宮の最深部を目指そう 4 (オーバーラップ文庫)
著:割内タリサ先生
イラスト:鵜飼沙樹先生
今回は異世界迷宮の最深部を目指そうの4巻の感想です。
ネタバレ多いです。ご注意ください。

まず振り返りと確認から進めます。

3巻は壮絶なバッドエンドで幕を閉じました。ジークフリート・ヴィジターとしての命運が尽き、相川渦波――アイカワカナミとして生きることになります。
(すみません。ジークは愛称でフルネームジークフリートでしたね)

さて、カナミ君には強力な洗脳が施されました。
人格は変わらず、しかしほんの少しだけ認識が差し替えられました。

ひと際大きい認識変化は、マリアを妹(カナミ君を兄)として認識していること。
そして一連の出来事は、パリンクロンに助けられたものとして認識していること。

お陰でディアとラスティアラのことは忘れていますし、ジークと偽名を使っていたことも覚えていません。アルティやティーダと戦ったことすら覚えていません。
あと4巻の描写を見る限り、マリアは火を使って方々を認識するスキルを忘れているか思い出せない状態であると思われます。ですので視力を失っている以上、聴力によって周りを認識しています。
ディアのヤンデレ具合が三段階くらいアップしてヒロインヤンデレースを爆走し始めました

さらに舞台はラウヴィアラに移動しています。恐らく聖人ティアラの降誕儀式を台無しにされている以上、カナミ君はフーズヤーズでは懸賞首になっていることでしょう。多分。

この洗脳の面白いというか厄介なところは、洗脳解除をしようと思えば可能である点。ロックは装備している腕輪に掛かっているのが十中八九確定なので、これさえ壊せば恐らくカナミ君とマリアの記憶は戻ります。多数の幸福を犠牲にして。

ラスティアラやディアもまた、カナミ君に洗脳が施されていることに気付きます。気付きますが解除しません。
まだその時が妥当ではないから……が無難な答えじゃないでしょうかね。
パリンクロンは策謀を幾重にも張り巡らせています。この時に解除するのはパリンクロンから見て得の多い展開……という予想も立てることができます。

4巻のカナミ君は実に生き生きしています。平和です。間違いなく幸福です。
マリアから見た4巻は実に幸福だと言えるでしょう。恋人ではなく、兄としてになってしまいましたが、確実に自分の居場所を確保できたのですから。確実に自分が求められる存在になったのですから。
そして添い寝シーンご馳走様でした。相変わらずマリアは嫉妬の炎に燃えています。

偽りの幸福の楽園。記憶が戻るとこれらが全て壊れます。
4巻から新登場する一部の登場人物は、それについて真実を認識しています。
パリンクロンの真意はまだわからず仕舞いですが、他の真実を識る者からすれば、カナミ君とマリアの記憶は善意から、幸福を願っているからこそ解除させたくないわけですね。

4巻はローウェンと出会うまで、出会ってからで展開が大きく二分します。
前半戦はカナミ君がギルド『エピックシーカー』のギルドマスターとして奮闘するお話です。カナミ君は記憶の認識をいじられましたが、『経験値』は残っているわけです。心は覚えていなくても、身体に刻まれた経験という名の記憶までは忘却できないのです。

2巻で登場したスノウ・ウォーカーが再登場し、エピックシーカーのサブギルドマスターとしてカナミ君と協力し合ってギルドを運営していきます。2巻以上にダメ具合が加速します。良いぞもっとやれ!
サブギルドマスターは他にもいますし、彼らの活躍機会も当然あります。

ギルドメンバーは一癖も二癖もある人が多いですが、彼ら彼女らは善性です。
基本的に4巻に出てくる新キャラは、ほぼ全てが『善い人』です。ですのでぬるま湯に包まれているようなふわふわっとした気分で読み進めるのではないでしょうか。

ちなみにウチが特に気に入った新キャラは鍛冶屋のアリバーズさんです。
デザインについて夜を明かしたいです。挿絵があったのがとても嬉しかったです。

3巻までと同じように、次元魔法と氷魔法を駆使して大立ち回りを演じます。3巻までと比べると命の危機に瀕するようなバトルが少ない以上、少々物足りないですけどね……。

後半は三十層の守護者、地の理を盗む者――ローウェンと出会うことで運命の歯車が動き出します。全裸褐色少女という属性盛りすぎ死神リーパーとローウェンは良いコンビというか良い味出しています。何となく脳内ボイス、ローウェンは保志総一朗さんなイメージですハイ。
ローウェンを成仏させるためには一大イベント、舞闘大会(武闘大会でも舞踏大会でもない)を進めていく――ということは、第三部は舞闘大会編……なんでしょうかね。規模というかどれほどバトルを重ねていくかわかりませんが、相応に長いお話になりそうです。

グレン・ウォーカーもいよいよ本格的に物語に絡み始めます。
3巻の頃からそうでしたけど、思っていたのとちょっと違うというか、弱腰の優男だったんだなぁ……と。いや、多分もっと違う一面があるのを期待しています。カナミ君が来るまで先に進んだ者なんですし。



舞闘大会がメインに進みつつ、方々の問題が山積みされていきます。

まず筆頭としてスノウの問題。
スノウの家柄の問題ですね。カナミ君が結婚を受諾するだけでハッピーエンドになりますがそうするわけにはいかないよねと。
カナミ君は真実と向き合うために腕輪を壊す壊さないは別にして、前に進もうとしています。そうするとスノウと結婚するわけにはいかないのです。というかプロポーズがああいうプロポーズなので、その場の流れで受けるわけにもいかないでしょうあれは……。
というかフランちゃんどこいった?

スノウの過去の一片しか語られていない以上、どうしてスノウがやる気を無くしたダウナー系になったのか、まだわかりません。
わかっているのは過去に何度も失敗し、失敗によって失ったものが多すぎたせい……なのはわかります。前フリがある以上、スノウは恐らく過去と向き合う展開が先で待ち受けている……んじゃないでしょうかね。
ケースがケースなのでシッダルク卿との婚約を解消することも、カナミ君と結婚することもしない第三のルートになるだろう予想は付きますけど、そうなると家の問題が一切解消できないです。母君を納得させるだけの新たなカードを用意しないと、きっとスノウは解放されず縛られたままなんだろうなと。

そしてローウェンを成仏させる問題。
ローウェンの反応から見て、同一人物なのか同名の別人なのか同姓同名の転生体なのかわかりませんが、1000年前にも『アイカワカナミ』という次元魔法使いが実在したのであろうことは予想できます。
ならアイカワカナミ君とは一体何者なのか、という問題が浮上します。
単なる同姓同名の別人……ってことは無いでしょう。双方次元魔法使いという共通点がある以上、無関係であるとは到底思えません。
ならカナミ君が『この世界』にやってきたのも大きい意味があるはずです。

つまりパリンクロンがカナミ君に洗脳という名のロックを掛けたように、もっと別の大きい存在もカナミ君にロックを施しているのだと思われます。
そうなると、今のところ一切出てこない妹の陽滝も無関係ではないのかもしれません。
というのは妹の陽滝のことをパリンクロンは認識していたからです。
仮にパリンクロンがカナミ君のように他者のパラメータを見るスキルを持っていたとしても、妹の陽滝を認識することは恐らくできません。ラスティアラができたのは、カナミ君の本名を看破し、異世界から来たという事実までです。

即ち、パリンクロンはもっと別の何らかの方法で、カナミ君の素性を知り得ていたことになります。
パリンクロンもまた、パリンクロンではないもっと別の一面があるに違いありません。
というか流れからするとパリンクロンはラスティアラは『失敗』しましたが、別の誰かの降誕した肉体って考えるのが妥当なんじゃね? って思っちゃいますよ……。

パリンクロンが施した洗脳が解除されるとこうなります。

・マリアとの関係が壊れる
・エピックシーカーのギルドマスターとしての立ち位置が壊れる
・マリアはカナミ君を手に掛けようとした事実を思い出してしまう
・スノウを救うことができなくなる

つまりラウヴィアラで築き上げてきたもの全てが破綻します。破綻すると間違いなく不幸になります。洗脳を解除しなければこれらを全て享受したまま、幸せな余生を過ごすことができます。カナミ君の実力もあって地位もお金も名誉も得ることができるでしょう。
それらを全て棄ててまで、果たしてカナミ君に洗脳を解除する価値があるのか。





あるに決まっているでしょう
カナミ君の第一目的は、元の世界に還ることではありません。
本当の妹である陽滝を守ることです。

認識を変えられ、マリアを妹の陽滝として認識している以上、カナミ君が求めている第一目的は『達成されてしまっています』。
だからこの洗脳を解除するのは容易なようで困難極まりないものになっています。
つまり洗脳を解除するには、まずマリアが妹ではないという認識に戻さなければいけません。

鍵を握るのは夢の世界でリーパーに託した言葉です。
リーパーだけが本当のカナミ君から託された言葉を携えています。

どのタイミングでこの時限爆弾が大爆発するかわかりません。
ローウェンと決着をつける展開も恐らくあるでしょう。
スノウの問題を解決する展開も恐らくあるでしょう。

二巻ラストと同じです。
いくつもの時限爆弾がカウントダウンを始め、今か今かと大爆発の機会を伺っています。

そしてカナミ君に課せられたスキル、『???』。
4巻は一度も発動していません。もしかしたらパリンクロンの手によってこのスキルは喪われているのかもしれません。
ウチは恐らく残っているだろう展開を予想しています。『???』が災厄としてカナミ君に不幸をもたらしたのであれば、今度はカナミ君を希望に導く不幸を与える……そんな気がしてならないのです。
指摘受けたので3巻読み直しました。思いっきり封印されたって表示ありますねorz
一気読みしないと忘れちゃいますね……申し訳ないorz


そしてカナミ君の時限魔法、『ディメンション・決戦演算』が人間離れしてスーパーコンピューターと化してきていよいよチートキャラになってきたなぁと。

ローウェンが言っていたと思いますけど、迷宮は成長を促すためにある……とするなら、今、まさしくカナミ君がそうなっていますよね、と。恐らく今後も右肩上がりでカナミ君強くなるでしょうし、どこまで人間離れしていくやら……。

ってことで4巻感想でした。
4巻は刺激を求める人には退屈な巻で、こういう平穏が好きな人にはたまらない巻になっていたと思います。5巻はいよいよ舞闘大会が開幕するでしょうし、バトルパート目白押しでとても楽しい巻になっている――そう思わずにいられません。


3巻です。
立ち位置的に見ると、3巻はプロローグのエピローグ。ひとつの物語の終幕が描かれています。ひとつの物語が終わり、4巻から新たな物語が幕を開けます。

基本的にウチはamazonさんで物理小説も電子小説も買っているのですが、3巻はレビューが大荒れ状態でした。嫌な予感がしました。

異世界迷宮の最深部を目指そう 3 (オーバーラップ文庫)
著:割内タリサ先生
イラスト:鵜飼沙樹先生
コインに表と裏があるように、人の心も光と闇があります。
人の光が見えるのが二巻ならば、人の闇が見えるのが三巻です。
絶望という光と希望という闇がグチャグチャになって、登場人物ほぼ全員が表舞台にあがり、全員思惑と自らの心に従って行動を起こしていく英雄譚です。

2巻の終盤でハインさんからラスティアラに致命的な状況が訪れることがカナミ君に伝えられます。カナミ君の目的は元の世界に帰ること……というのは表層部分。けれど目的はそれだけで十分なのです。そのために彼は全てを犠牲にして進めてきました。

カナミ君には謎のスキル、【???】が備わっています。何故発動するのか、どういうプロセスなのかはまだすべての部分が明らかになったわけではありませんが、【???】を習得していたが故にあらゆる可能性が潰えていたことが明らかになります。

【???】は時限爆弾です。しかもただの時限爆弾ではありません。何度でも条件が満たされれば大爆発する、カナミ君が死ぬまで追いかけ続ける心を殺す爆弾です。まるで心にのみ作用するシアーハートアタックです。なにそれこわい。

【???】の副作用が大爆発するシーンは震えましたね。キャパを越えるとどうなるかずっと気になっていたんですけど、こう来るか、こうなるかと。いや死ぬでしょ。人という器のキャパを越えているでしょ。人という心がもたないでしょ。

この小説は過去編やインタールードにならない限り、カナミ君の主観に基づいて話が展開されていきます。では他の人物が何を考えているかというのは、そのキャラに移らない限りわからないです。

ラスティアラも、マリアも、ハインさんも、パリンクロン、そしてアルティも思惑があります。五者五様、それぞれが自分のベストを目指すわけです。

・どうしてラスティアラはカナミ君に気をかけたのか
・どうしてマリアはカナミ君を好きになったのか。どうしてラスティアラに嫉妬するのか
・どうしてハインさんは天上の七騎士を裏切ってまでラスティアラを救おうとするのか
・どうしてパリンクロンはハインに協力するのか
・どうしてアルティはマリアに魔法を教えたのか。どうしてマリアを助けるのか

100%ではありませんが大半の問題に対し、答えが示されるのが三巻です。
全てが上手く行き、全てが上手く失敗しました。酷いバッドエンドだ……。

ディアは一巻の時点で救われ、どちらかというと縁の下からサポートする立ち位置になるのでそういう意味では不遇なことになっています。けれどディアの演説は凄かったです。一巻のディアを知っていると三巻のディアはとても頼もしく見えましたし。

登場人物全員が表舞台で足掻き、足掻き、足掻き続ける。
その先に待ち受けていたのは、めでたしめでたしの第二部へのパスポート……ではなく、全てが壊れる片道切符でした。
この作者さん上げて落とすの上手いですね。パリンクロンが途中で一時退場したので肩透かしだったのかと思ったらあの展開ですよ……。

ラスティアラがどうしてちぐはぐな行動を取ったり空気読めなかったり変に優しかったり全ての行動に裏打ちが行われるのが三巻の前半戦。ラスティアラという少女がいかに創られ、精一杯生きた物語。
前半戦でラスティアラのキャラが描かれていたんですけど、後半まで読み終えるとマリアに塗り潰されて思ったほど印象に残らなくなってしまいました。それだけマリアの物語が鮮烈だった、ということになるんですが……。

二巻はラスティアラが表紙絵でした。
三巻はマリアが表紙絵です。ラスティアラを救うのが本筋なのに、どうしてマリアが表紙絵なんだろうと三巻の序盤を読んだ時点では首を傾げました。

……紛うことなきマリアの物語ですね。
恋は炎のようにーなんて言いますけど、物理的に焦がす恋の炎というか……。
アルティにはすっかり騙されました。知っているのか雷電ポジションになると思ったら、そう来るか、そう来るかっ!! ですよ。

「――ようこそ、探索者ジーク。ここが、こここそが十層。火の理を盗むものアルティの階層だ。(以下省略)」

痺れましたね。
そうか、そういうことか、そういうことだったのかと。
なんで家燃えているんだよ。なんでマリアが洗脳に近そうな状態になっているんだよ。
なんでマリアがって疑問符全てに終止符打たれて膝を打ちましたね。

そしてカナミ君自身にも何か秘密があるのが示唆されましたね。露骨に詠唱も魔法の名前も似すぎているんですよ。似すぎているってことはカナミ君にも何か秘密があるからこそ今に至る、至れなかったってことですよね。
炎に対する氷。氷に対する炎。怒涛の勢いで盛り上がっていくカナミ君VSアルティ&マリア戦は燃えました。心が躍りますね。
上げて上げてラスティアラ救出に巻の半分費やされ、後半は脱出戦だと思っていたのでこれは燃えますね。それまでが上手く行き過ぎていたが故に燃えざるを得ないですよね。

マリアも自分の全てを賭けてカナミ君に挑んできます。
まさかマリアがカナミ君と戦うことになるとは思わないですよ……何かあるだろうなとは思いましたよ。けれどよりによってカナミ君と戦うとは思わないですよ。ラスティアラと戦うことになるんだろうなー程度でしたよ。

互いに死力を尽くした結果、最後はカナミ君が勝ちます……と言いたいところですが、マリアの勝ちですよね。結局。カナミ君の口から真実の言葉を引き出すことに成功したのですから。終わってみればマリアの一人勝ち。マリアの想いが全てを塗り替えたのです。

……しかしまさかマリアがあんなことになるとは。
四巻以降どうするのって思っちゃいますね。火で探知できるからって、自分自身を失うようなものでしょあれは。けれどスキルに頼っていたからこそ、本質を見極められなかったというのは皮肉ですよね。それもパリンクロンによって教えられるとは……。

炎によって過去を忘却していったマリア。
全てが虚飾の鎧で覆い、全てを隠してきたカナミ君。

4巻の冒頭を読むと、嗚呼……二人とも同じ道を歩んでいるんだなって思ってしまいますね。過去に囚われ、今に捕らわれ、未来を偽る。
誰も悪くない。ただ、何もかもが上手く行かなかった……悲劇ですね。

それも二人がようやく気持ちを分かち合った直後で全てが破綻する悲劇。
パリンクロン貴様あああああっ!!! て思っちゃいますね。いやーすべてを仕組んでいたのはハインさんみたいなものですけど、全てを操っていたのはパリンクロンですよね。

まさかハインさん死ぬとは思いませんでしたよ。
死んだという事実だけに留まると思ったら、致命的な事実を突きつけられるんですからうぎゃーってなっちゃいますよ。
ハインさんの気持ちわかるんですよね。誰だって心があるんですから、自分の身の裁量をわかっているんですから、適者生存、カナミ君に託したいって思っちゃうでしょ。なれなかった自分を託したくなるでしょ。
上手くいった。上手く行き過ぎた。ただ、パリンクロンというイレギュラーが少し方向をずらしてしまった。その結果、全てがピタゴラスイッチのように崩壊してしまった。

ただハインさんから見ればあんまりな展開……とはならないでしょうね。
何故ならラスティアラを救出するという目的そのものは果たされてしまったから。
少なくともラスティアラが材料に使われることは、最低でも当面は防がれたでしょう。

ハインさんは結果的に亡くなりましたけど、目的は果たされたのです。悲劇で終わっても最悪は防げたのです。ベストである『カナミ君とラスティアラが』逃げおおせる展開にはなりませんでしたし、肝心のラスティアラが救われきれていないのがなんとも後味が悪いんですが……。

3巻まではジークフリード・ヴィジターの物語。偽りの英雄譚。
4巻からはアイカワカナミ君の物語。偽りの英雄譚。
4巻の冒頭を読みましたけどガラッと変わっていてビックリですね。
そりゃ3巻のラストであんなことになってしまうので、そりゃえげつない展開になっているだろうと思ったら思ったよりもずっと平和なプロローグで地に足付かないふわふわっとした気分です。

ってことで端折りましたが3巻の感想でした。
4巻の感想を書くのは少し時間が空きます。空くのを利用してこの一カ月で読んだ他のラノベの感想記事もアップしていきます。
とりあえず予定しているのはゴブリンスレイヤーと魔法少女育成計画です。おたのしみにー

3巻を読み終えてから2巻の感想記事を書く体たらくをお許しください。
何をお許しくださいって同一視の感覚で感想を書くことができないからです。
いやー……3巻は凄い。凄い。凄いですよ。高揚とした気持ちが、SAN値ガリガリ削られて心臓麻痺起こしそうです。

さて、今回は異世界迷宮の最深部を目指そう 2の感想を書いていきます。
前回の記事もそうですけど、あっちと違ってこっちは思ったことをまとめないでそのまま殴り書きの形式で書いていきます。そのほうがどういう感情で読んでいたのかーというのが伝わり易いかなと思いまして。

異世界迷宮の最深部を目指そう 2 (オーバーラップ文庫)
著:割内タリサ先生
イラスト:鵜飼沙樹先生



2巻は1巻以上に目まぐるしく状況が刻一刻と変化していく、起承転結でいう承と転に比重が置かれた形式……だと思います。
特にパーティメンバーがどんどん入れ替わっていきます。
アルティがメインヒロインだと思ったらそんなことは無かったです。ちなみに表紙絵、マリアじゃなくてラスティアラなんですね。3巻の表紙絵がマリア。3巻を読み終えるとマリアが3巻の表紙絵で納得の一言です。
いや、アルティも良いキャラしているのですよ。1巻のボスポジションのティーダもそうですけど、盤上を搔き乱していくんですね。

そんな中で登場したのがパリンクロン。
2巻を読んだ時点ですら怪しさ満載、背中を刺してくる言峰綺麗ポジになるだろこの人みたいな感じで読んでいたら……いやー凄いですね。
底が見えないのに妙に人間くさいのです。
嘘は付いていない。けれど本当のことも言っていない。
その上で思考を誘導し、盤上を整えて自分が動き易くする。
アレですね。将棋やチェスが強いタイプですよこの人。

けれどパリンクロンがいたからこそマリアが救われたのもまた事実。あのまま奴隷コース一直線に比べれば、少なくとも2巻の時点では陽だまりのような幸福に包まれていったんでしょうね。3巻読むと物凄く辛い気持ちになるんですが……。

3巻まで読むと致命的に嘘を付き続けていたのは結局カナミ君だけなんですよね。
ラスティアラもディアもマリアもアルティも部分的に嘘を付いていますが、虚飾の鎧で全身を覆っていたのはカナミ君だけなのです。
優しい嘘。けれどその優しい嘘が心を殺すのです。
悪気は無い。だから許されるのか……そんなことはないでしょう。
カナミ君がマリアに優しさを見せたように、ラスティアラがマリアに優しさを見せたように。優しさが人を、心を殺すのです。善意という悪意が、人の感情を殺すのです。
その上でカナミ君は止まらない。止まれない。止まるわけにはいかないっていう。何故なら彼は元の世界に帰りたいだけなのだから。ただただ帰りたいだけなのだから。

2巻は大半が冒険活劇のシーンと冒険譚として読み応えがあります。
全百層の大迷宮ですが、数合わせ的な層がいっぱいあるのではなく、二十層以降は人間が辿り着いた限界が直ぐ傍にあるってことで、一層一層が重く、そして険しいです。
常識的に考えれば二十三層二十四層は死ぬでしょ。脱水症状起こすでしょ。人との相性最悪でしょう。
カナミ君が氷属性魔法を少しずつ習得し、ああこれで進んでいくんだなと思ったら別口から攻略の糸口が見つかる。盛り上がっちゃいますよね。

直球がダメなら変化球で勝負しろ。
変化球とは何か。
炎には氷を――ではなく、炎には炎を。炎に強い術者はそのまま炎を殺すこともできる。
道理ですよね。しかもアルティという炎のエキスパートがいて、炎の魔法が使えるマリアがいるんですから。
とんとん拍子に上手く行き過ぎている。行き過ぎていた……というべきでしょうかね。3巻読むとメインの登場人物が裏で何考えていたのか全て明らかになるんですけど、表しかわからない2巻は苦しんで足掻いても先へ先へ進もうと研鑚を積んでレベルを上げる過程にしか見えないっていう。

ハインさんも含めた天上の七騎士もそう。
RPG的に考えるなら定期的に出てくるボスポジションに見えるわけですよ。
迷宮は十層ごとにボスの立ち位置の守護者が出てくる、という手筈になっていますが、一巻の時点で十層もニ十層も攻略したことになっているんですよね。
じゃあ三十層に辿り着くまでボス戦に該当する戦いは無いのか? 
そんなことはない、そのための天上の七騎士戦なのかって思ってしまいました。

しかしこれも三巻を読むとやはり覆ってしまいます。
コインの表と裏のように、二巻と三巻は光と闇。人の心が見せる光と闇の構成になっています。二巻の終盤になって、ようやく裏が見え始めた――というところで三巻に続く、ですからね。生殺しも良いところですよ。そりゃ三巻も読んじゃうわなと。そして三巻を読んで絶望の谷底に突き落とされるんですが……。

好きなシーンは聖誕祭の前祭のシーンです。
お祭りは良いですよね。心が躍ります。地元の遠い神社も毎年お祭りをしていますが、ソロで行っても友達と一緒に行っても楽しいです。場の空気で当てられちゃうっていう意味ではライブと近いんじゃないでしょうかね。ライブも音楽の祭りと言えると思いますし。疲弊した心を癒して年相応の青少年のカナミ君を見られたのは貴重です。ムキになって対抗するの御馳走様でした。良いものが見れました。

特に好きなキャラは男性側はパリンクロン、ヒロインはマリアです。
どうしてマリアが好きなのかって理由は省きます。まー普段からウチのツイッター見てる人なら嫌でもわかるでしょ。ハイ。
パリンクロンもそうですけど、場を搔き乱して底を見せないトリックスターポジションのキャラは大好きです。大好きですけどリアルではお友達にはなりたくないです。いつ裏切られるかって猜疑心に襲われることになりますからね。
結局三巻の時点でパリンクロンに色々思惑があったことそのものはわかりますが、その先に何を狙っているのかは全然明かされていません。
先に進めば明かされるのでしょうけど、その時にまた今までの行動がひっくり返るんじゃないかって思うと恐怖と楽しさが同居したような気持ちになっちゃいますね。

あとフランリューレが結局一番重くないサブヒロイン(?)ポジだったってのはびっくりですね。よく見かけるタイプのキャラですけど、だからこそ異常が普通に見えて普通が異常に見え、一周まわって「あれ? 普通だ」って思ってしまうっていう。
フランリューレたちもまた再登場して欲しいですね。三巻まで読むとひたすらしんどい。オアシスが欲しくなってしまいますから。

というわけで端折りましたが、異世界迷宮の最深部を目指そう 2の感想でした。
異世界迷宮の最深部を目指そう 3の感想も書き次第すぐにアップします。今度は4巻を読み終えるずっと前に記事を書く筈なので、3巻を読んだ時そのままの気持ちで書いていけると思います。

初めましての方は初めまして、ツイッターやニコニコで絡みのある方、いつもお世話になっております。
ツイッターじゃいけしゃあしゃあと思ったことをそのまま書いていますが、こっちでも相変わらずで進めさせていただきます。

最初となる今回は、異世界迷宮の最深部を目指そうの第一巻の感想を書いていきます。
なお、この感想記事を書いている時点で三巻の中盤の頭くらいまで読んでいます。
純粋な一巻の感想記事にはならないです。ご容赦ください。
殴り書きに近い感想になっています。見辛かったらごめんなさいです。

異世界迷宮の最深部を目指そう 1 (オーバーラップ文庫)
著:割内タリサ先生
イラスト:鵜飼沙樹先生

かなり前のお話になるのですが、web版の最初のほうを読んだ記憶があります。
なろうさんの小説で、確か当時『異世界』でワード検索かけて上位に来てーといった経緯で確か見た……と思います。他の小説だと『異世界迷宮で奴隷ハーレムを』、なども読んでいましたね。

何年も間が空いたので内容をすっかり忘れていました。辛うじて覚えていたのは冒頭のくだりですね。それ以降はほぼまっさらな記憶と化していたので新鮮な気持ちで読書できました。

さて、いわゆる異世界転生系というジャンルのラノベ……だと思います。
思いますというのは、三巻の途中まで読んでいる時点で、主人公のカナミ君は死んで転生したのか生きたまま異世界に移ってしまったのかわからないからです。
ジャンル的に異世界転生で正しいのか怪しいですが、説明するとわかりやすいのでコレでいきます。

この小説の面白い所はいくつもあるのですが、まず主人公君であるカナミ君が首尾一貫異世界を満喫するのではなく、元の世界に帰ることを第一目的としていることですね。
主観ですが異世界を満喫して元の世界に帰るのは二番目三番目の目的になっている、というケースは結構あると思うのです。その中でブレることなく帰るために強くなり、迷宮の最深部を目指していく……というのは面白いです。

例えると世界樹の迷宮やWizardryに近しいですよね。一巻の前半からしてそうですけど、死ぬほど苦労して文字通り死にかけて、普通なら心が折れてそれなりに幸せな余生を過ごして異世界ライフしていくところを、ひたすら潜って潜って最深部で叶うだろう奇跡を目指しているっていう。しかもディアと出会うまではほぼソロパーティですからね。カナミ君はとても心の根が強い人だと思います。

Wizardryの序盤がまさにこのタイプなんですけど、一番死に易いのは最序盤なのです。お金に困り、寝床に困り、装備に困り、回復に困る。お金の切れ目が縁の切れ目、世界の切れ目です。異世界だろうと世知辛い現実です。辛い。

命からがら迷宮を脱出し、縁と運でラスティアラ御一行と出会い、最初のピンチを切り抜けるまでは人生ハードモードでもう見ていてワクワクしましたね。いわゆるチートスキルだろうパラメータ表示があって、少ないリソースを駆使して頑張って、やっとですよやっと。Wizardryプレイしてパーティが半壊して地上に戻るのが大変だったのを思い出しちゃいますね。命あっての物種なのです。

三巻まで読むとラスティアラのイメージが急変するんですが、一巻を読んでいる段階だとラスティアラが不思議ちゃん過ぎて物凄く困惑したのを覚えています。
とりあえずカナミ君の本名がバレているという時点でラスティアラが普通の人じゃないことは明らかですが、三巻まで読むと最初から全て始まっていたんだなぁとしみじみです。
最初に出てきたまともなネームド女性キャラだったので、てっきり(一巻の)メインヒロインがラスティアラだと思っちゃいましたですね。

余談ですがweb版と書籍版、カナミ君が名乗る偽名がそれぞれ異なります。
どうしてweb版のままにしなかったんだろーと思って一巻を読んだあとでweb版も読みました。……これはそのまま書籍化できないだろうなって思いました。宗教関係は怖いですからね……どちらかというと日本というこの国が特別平穏なだけでトラブルの温床は防ぐに限るのです。

一巻のメインヒロインはディアですが、リィンさんも結構キャラ立っていると思います。というかリィンさんの画像欲しかったですorz。クロウさんも含め、酒場のキャラはみんなキャラが立っていて情景を思い浮かべ易かったです。
Wizardryや世界樹の迷宮と違ってひたすら迷宮に潜るのではなく、迷宮の外で活動してしっかり準備をする――とても良いことだと思います。

ましてやほぼソロパーティのカナミ君ですから、情報集めは大事です。生命線といっても過言ではないでしょう。情報を集めるために酒場でバイトするのは、見方を変えると世界樹の迷宮Ⅲ以降の世界樹の迷宮シリーズの情報収集に近しいと思いますので、雰囲気良いなぁって思っちゃいますよね。カナミ君は成長度がとても高いですけど、最初は最初、上がるまでの最初は弱い。とても弱いのです。

ディアと出会って以降はとんとん拍子に進みます。
というよりもラスティアラがレベル上げを『してくれた』からですよね。カナミ君の成長度の高さがそのままレベルアップに反映された形となり、1と4、たった3ですけど絶対的な3の違いで一気に強くなるっていう。

Wizardryだと最序盤はレベルを上げて呪文の使用回数が安定するまではあまり進まないほうがベターです。玄室荒らして何度も敵を殲滅し、拠点とダンジョンを行ったり来たりしてレベリングを行い、お金を稼ぎ、装備やアイテムを整えるのです。

カナミ君もやっていることの本質は同じ。ディアとパーティを組んだあとはレベリングを行い、パーティが安定できるように地を固めます。バイトのくだりもそうですけど堅実、慎重、次に繋がるようにスキルや次元魔法に頼れど最善を尽くして決して無理をしないプレイングでどちらかというと地味に感じました。
でもこの地味さが大事なんですよね。いわゆるチートスキルを持っているからって無敵じゃないですし、怪我もします。怪我をしない、痛い目に合わないためにはどうすればいいかって基本中の基本ですよね。

ディアは女の子ですが口調は男の子です。
キャラ的にマギアレコードの深月フェルシアが近いんじゃないでしょうかね。
どうして身分を偽り、名前も偽り(本名の一部は一部だけど)、本来できることをしないで別の道で進もうとしているのか。こりゃ性格壊れるわと思いました。

ディアに限らずラスティアラもマリアもそうですけど、本質的に本当の自分を見て欲しいという共通項があると言えます。本質的な自分を見てくれたからカナミ君を信用し、徐々に惹かれていく……道理ですよね。
表層ではなく内面を見て欲しいなんて誰しもが思うことです。その上で本当の自分を認めて欲しい、本当の自分を受け入れて欲しいって願わずにはいられません。

やられたらやり返す、わざわざトラブルふっかけてどうすんのって思いましたけど予想に反して相手方が一歩奥まで踏み込んでしまったので溜飲がくだりました。中途半端ってあんまし好きじゃないんですよね。あとで尾ひれついて良くない展開になるだろーって思っちゃうので、禍根は断つほうが見ている側はスッキリするものです。

とんとん拍子に進んで一巻どのようなラストになるんだろーと思ったらフラグありましたけどボス戦がちゃんとあって、それまでサクサクプレイだったカナミ君たちが十分苦戦する展開になって読み応えがありましたです。
その過程でディアがあんなことになって内心ギャアアって気持ちでしたけど、勝った時の盛り上がりはひとしおですね。オーバーキルでサクサク勝っても読んでて気持ちよくないので、ギリギリの勝利は観ていて楽しいです。

ディアが入院コース、アルティがパーティインで「あれ? アルティヒロインポジだったの!?」といったところで二巻に続くってことで、一巻で綺麗に終わらなかったのは面白いと思いますし珍しいなと思いました。普通ラノベって一巻の売れ行き次第で二巻目以降が決まると思うので、一巻って綺麗に終わると思うんですね。そんな予想が覆ったのでそりゃ二巻が気になっちゃうよねっていう。

気になるといえばカナミ君の固有スキル、【???】はもっと気になっちゃいますね。
いくつかの感情を犠牲にしてってろくなことないのは明白なのに助けられています。
その上で溜まり過ぎたらどうなるんだろって部分は十中八九何かが起こるのが示唆されているので、どこかのタイミングで決壊するのも明白ですね。
問題はそれがどのタイミングで訪れるのか予想できないので、時限爆弾をずっと抱えたまま突っ走っているに近い感じです。二巻を読むと各ヒロイン何かしら問題抱えているのでこっちも時限爆弾持ち。表は安定しているけど裏が全く安定していない。不安定な橋渡しがずっと続いているっていう。怖いですね。楽しいですね。先が気になっちゃいますね。

ということでかなり端折りましたけど異世界迷宮の最深部を目指そう 1の感想でした。
異世界迷宮の最深部を目指そう 2の感想も感想を書き次第すぐにアップしますね。

このページのトップヘ