電子の海文字の海

購入したラノベの感想を書いていきます。
主観全開、ゆるふわ感想記事になります。
主にamazon kindleさんで購入した電子書籍が対象ですが、
買えなかった場合は物理書籍の感想も書いていきます。

カテゴリ: 魔法少女育成計画

魔法少女育成計画restartは遊園地に例えられるのではないでしょうか。

遊園地で例えると、前編はお化け屋敷と捉えることができます。
来るぞ、来るぞ、来るぞという前フリからの数々の悲劇。
されど謎はひとつも解決されません。空中分解し、放り出さられたまま後編に続きます。

そんな後編は、遊園地で例えるとジェットコースターです。
特に『魔王の城』から物語は核心に迫り、ブレーキが効かない予測不可能な領域に突入していきます。



魔法少女育成計画restart後編(このライトノベルがすごい! 文庫) 
著:遠藤 浅蜊先生
イラスト:マルイノ先生
今回は魔法少女育成計画の3巻の感想です。
ネタバレ多いです。ご注意ください。

魔法少女育成計画と同じくノベル版はkindle版が今現在(2018年5月1日)存在しないので物理書籍で購入することになりますので、そこだけ注意ですね。


電脳デスゲームに巻き込まれた魔法少女は16名。
(すみません前回人数カウント間違えてましたorz)

前編で退場したのは6名です。
ご丁寧に後編のカラー挿絵で『Retire』と表記されています。親切です。
ちなみに前編ラストの2人は『Unknown』、不明扱いになっています。直ぐに死体確認が行われるのですが……中々グロいですね。

さて、前編の感想記事とは違い、今回は最初からネタバレの核心も含めて感想を書いていきます。

まずこの小説、前編も後編もそうですけど、まさか『信頼できない語り手』が仕込まれているとは思いませんでした。推理小説の側面が強かったのです。

この物語は『魔王』を倒せばゲームクリアです。
ところが苦労して魔王城に辿り着いて最奥まで進んだのに、『魔王』がいない。
さらに、

「魔王は留守です。十五人の魔法少女に追われて逃げ回っています。またのお越しをお願いします」
(112Pより引用)

と書かれた情報を入手します。
ゾクッとしました。
予想はしていた展開ではあるのですが、このデスゲームに巻き込まれた魔法少女は全部で十六名。つまり魔王がプレイヤーの中に紛れ込んでいたことが判明します。
プレイヤーサイドがそれに気付くのはもっと後の話です。その前にもっと別の衝撃の事実が明らかになりますからね……。

先に書くと魔王として選ばれた魔法少女のゲームクリアは他の十五名の抹殺です。
別に悪い魔法少女が魔王に選ばれたわけではないのです。ただ、生き残るためには他全員を犠牲にしなければいけません。

じゃあ誰が魔王なの? というお話になります。
展開がまた酷い(誉め言葉)なんですよ。最後三名が広場に集まりますが、この時、魔法少女サイドとして描写があるのがシャドウゲールのみなんですよね。他の二名は魔法少女サイドとして描写が描かれていないのです。嘘ついて読者を騙す地の文が仕込まれていると考えにくいので、消去法でどっちかが魔王って思うわけです。

こうなるとクランテイルは直前の激戦で『敵討ち』をしているので直ぐに候補から外したくなります。そうなると消去法で冷淡なほどに論理的な性格も込みで、プフレが魔王だと推理しちゃうっていうね。

見事に騙されました。それも二重の意味で騙されました。
いやー作者様の掌の上でコロコロ転がされていましたね。AじゃないならBが犯人。Bが犯人じゃないならCが犯人。Cじゃないなら犯人は……A!?
といった具合に。思考停止したわけではないのですが、その可能性は考えてなかったわ……となりました。
何より広場に移動(ワープ)したのは、『生き残った魔法少女三名のみ』。
カラクリがわかった瞬間、凄まじい快感が全身を流れましたね。凄いのです。

では『信頼できない語り手』とは何なのかというと、魔法少女サイドとして描かれているあるキャラクター。描写『されない』地の文が仕込まれています。
つまり魔王であることを隠し、他の魔法少女を抹殺するための『仕込み』の描写が一切ないんですね。
でも誰が魔王なのかわかったあと、何故描写が無かったのかも納得できる答えが示されます。これはこの魔法少女育成計画restartだからこそできた一回限りの大技だと思いました。凄いトリックなのです。





魔王関連のことはあとに置いといて、他の感想を書いていきます。

まずペチカチーム。
前編では誰も退場しない、それは理想的な展開になっていました。

リオネッタと御世方那子は相変わらず口喧嘩を続けますが、決まり文句というかお約束の展開のようでなんだか微笑ましかったです。まさかこれすら伏線とは誰が予想できますでしょうか(滝汗

寡黙なクランテイル、頑張り屋のペチカ、お喋りでカタコト(例えると遊戯王のペガサス・J・クロフォードみたいな喋り方)の御世方那子、お嬢様口調で皮肉屋のリオネッタ。役割分担ができていてペチカのグループは出てくるだけで癒されました。ですが前編は前編、後編は後編。やはりペチカチームも逃れることはできません。

悲劇が加速する前、魔王城でペチカの料理を生き残った魔法少女全員に振る舞う場面があります。この時、生き残っている魔法少女は全部で10名(つまり後編はココまでの時点で退場者ゼロ)。残り約160ページで7人もの魔法少女が退場するんですから後編は苛烈なジェットコースターです。
ちなみにこの挿絵、御世方那子が一見すると映っていないように見えますが、ちゃんと右上の端のほうに映っています。よく本を見開かないとわかりにくいですが……。

『最後』の癒される場面でしたね。
ここを皮切りに空気が一変してしまうのですから……。

一瞬ですよね。リオネッタと御世方那子に対して起こった出来事は。
順風満帆のように見えて、実は器に入った悲劇という名の水が満杯状態がずっと続いていたのです。そしてそれは溢れてしまった……こうなると全てが止まりません。

リオネッタの表と裏はそれはもう凄かったです。
でもそれ以上に凄かったのはリオネッタ自身に隠された秘密。
てっきりあの場面で死んだと思いましたからね。だからあそこからの逆転劇はそれはもう盛り上がりました。けれど絶命させるには至らなかった。
ラピス・ラズリーヌもペチカもそうですが、命を賭けた一撃は確かにダメージを与え、あるいは次に繋がるんですが、それでも絶命させるには至らない。届かないんです。
それだけ『黒幕』が強いことの現れなんですが、もう見ていて辛かったです。
余談ですがリオネッタの最期の少し手前、あの場面は挿絵欲しかったというか見たかったですね。一体どんなリオネッタなんだろうって思っちゃいます。
コミックス版見ろよって話で終わっちゃうんですけどね。

ペチカは前編の序盤から後編の終盤までしっかりと描写があっただけに、退場するとは思いませんでした。生き残れると思っていました。
でもダメですよね。『記憶』が戻った時点で世界が破綻してしまっているのですから。ペチカの恋物語も終幕が与えられてしまったのですから……。
しかし二宮君に惹かれた理由も、『魔法少女育成計画』ならではというか。

「それじゃあ、またね」
(153Pより引用)

読み返すとフラグだよなぁ……死亡フラグという名のフラグだよなぁと思わざるを得ません。ひたむきで健気で、頑張り屋で、最後の最期まで命を賭して頑張って……。
ペチカの魔法は『5分間素手で触れ続けたものを料理に変える』魔法です。
だから戦闘向きでは無かったわけです。戦闘中に5分間触れ続けることは無茶な話です。
でも成功した。ギリギリの瀬戸際で起死回生の一手を打つことができました。
結果的にペチカは退場してしまいますが、ペチカがいたからこそ黒幕を裁くことができたのは言うまでも無い事実です。戦わない魔法少女が弱いとは決して限らないのです。精神性において、確かにペチカは強者だったのです。
友達を守れなかった過去(むかし)、友達を守れた現在(いま)。
後悔を力に変えて、力を勇気に変えて、勇気を希望に変えて、希望という名の命のバトンタッチで……。

クランテイルは終始寡黙ですが固有魔法の下半身を別の生き物に変えることができることにより、言葉に出さずとも心がしっかり描写されているのがとても良かったです。
戦闘に特化した魔法だけあって戦闘場面で活躍する機会は多いです。特に黒幕との激戦は
ペチカの活躍もあって手に汗握る展開がずっと続きます。
個人的にクランテイルはリオネッタと御世方那子の二人が主張し過ぎて影に隠れ、地味なキャラだなーと思っていました。確かに戦闘方面はその特徴ある固有魔法のお陰で主張力があるのですが、非戦闘時は影に隠れ続けているというか……。
それだけに最終決戦は凄かったです。
まさかアレに変身するとは思いませんでした。予想の外を常に用意してくる人ですよね。作者様は……restartは特に後編、読んでいてコロコロ転がされていたんだなぁと膝を打ち続けました。



次にのっこちゃんチーム。

まず夢ノ島ジェノサイ子。
前編でアカネに斬り殺されたはずなのに、どうして死体は消えたのか。再び登場できたのか、@娘々とのラストは一体何だったのかという盛大な謎が残されていました。
全ての謎が解き明かされるのが後編です。
魔法少女育成計画restartが複雑怪奇なことになっているのは、魔王、黒幕、黒幕の協力者と3人の魔法少女がそれぞれ別々に暗躍しています。
だから単独犯で推理してしまうと永遠に答えに辿り着けません。
夢ノ島ジェノサイ子に関してもそう。夢ノ島ジェノサイ子の死体が消えた謎、再び登場できた謎はそれぞれ切り離して考えないと答えに辿り着けません。
……はい、わかりませんでした。そういうことだったのかーと項垂れちゃいましたね。

次にのっこちゃん。
いや、もう凄い魔法少女ですよね。
小学生に何過酷な運命背負わしているのって思ってしまいますよ……。
さらに辛いのはのっこちゃん自身はとても良い子であること。そして自分を騙してもそれもまた自分自身が描いた思いであること。
魔法少女育成計画って精神操作系の魔法が滅法強いんですよね。のっこちゃんの固有魔法はふわふわっとしていてあまり強いイメージを抱きにくいんですけど、まさか全ての因果に繋がってくるとは……読者すら騙す名演技ですよね。ホントに……。
特に終盤にかけてのアレは凄いですよね。
そのまま受け取ってしまって完全に候補から外れていましたから。候補に戻すことすら難しいワープの特性も相まって推理できる人どれくらいいるんだって思ってしまいます。
そして最後の最後、エピローグ。
のっこちゃんがいかに強い魔法少女だったのかが描かれていますよね。
物理的ではなく精神的な強さ。あの場面であの選択を取れるのは尋常じゃない精神力のはずですから……。

次に@娘々とマジカルデイジー。
惜しくも前編で退場した二人ですが、後編を読み進めて『記憶』の描写で評価が変わるんじゃないかなーと。
特にマジカルデイジーはアニメにもなった魔法少女ですし、その手前では……って考えると辛いですね。記憶を改ざんして失っていたからアレですけど、もしも生き残った上で真実を知ったら……って思うと胸が痛みます。



次にディテック・ベルチーム。

まずラピス・ラズリーヌ。
前編と後編で一番印象が変わった魔法少女です。
オフ(現実世界)でディティック・ベルと邂逅するあの場面は二人の印象がかなり変わりました。
それだけにまさかラピス・ラズリーヌがあんなに強い魔法少女だとは思わなかったです。
黒幕との激戦は一秒一秒が克明に描かれた見応え抜群のバトルになっています。
宝石使ってテレポートするのがラピス・ラズリーヌの固有魔法ですが、戦闘に特化させるとあんなことができるんだなーと。多分誰しもが考えて、そして途中で考えるのを止めちゃうんじゃないでしょうかね。
できるけどそういう展開は多分無いんじゃないかなー的な……。

ラピス・ラズリーヌとディティック・ベルの絡みはもっと見たかったですね……。

ディティック・ベルは最後まで生き残ると思ったら中盤で退場してしまって残念です。
探偵の魔法少女だからこそ、真相パートで犯人を突き止める展開を期待していたんですけどね……。
でもディティックベルがいなかったら『事件』は闇に葬り去られていましたよね。
固有魔法が電脳ゲーム世界だと使いにくいことこの上なしでしたけど、それでも死ぬ間際にやっと役に立ったというか。
オフの話が色濃く描かれていた魔法少女でしたし、生き残って欲しかったです。
(別にディティック・ベルらに限った話じゃないですけど)

メルヴィルは、まさかあそこまで強い魔法少女とは思いませんでした。
固有魔法に加え、戦闘のセンスが凄いですよね。土壇場で起死回生の一手を常に考え実行していく、まさに勝利を目指すキャラというか。
前編と後編でかなり印象が変わった魔法少女でもあります。
訛り言葉の陰に隠れて立ち回り役回りが一変するというか。
前編読むととても模範的というか中立的に長期を見据える才女だなーって印象があるんですよね。あれ全部嘘だったのかよとorzlll
いや確かに正しいですよ。
正しいですけど後編読むと「アンタがそれ言うのか」ってなっちゃうわけです。
そして数々の伏線がメルヴィルを中心に収束していくので、終盤は読むのが止められない止まらないっていう。最後の最後まで足掻いた魔法少女ですよね。死ぬ間際まで勝つことを諦めていませんでしたし……。
仮にあの終盤戦を生き残れた場合、一体どういう展開を迎えたのかなーというのは少し気になります。どっちが果たして生き残るんだ的な……ね。

そして唯一わからなかったのが、どうしてチェルナーはメルヴィルに懐いたのかと。
episodesも読み進めた場合、もっと別の魔法少女に懐くんじゃないのって思っちゃうんですよね。うーん……。



次にプフレチーム。

まずウチは読み進めていくうちに、プフレが魔王なのだと予想して読み進めていました。
どちらかというとメタ的な推理ですね。シャドウゲールは地の文の描写がありますし、クランテイルはペチカの敵討ちで熱い描写が描かれているので、もし魔王なら前提が破綻するだろうと思いました。
そうなるとプフレが消去法で魔王候補になるわけです。
シャドウゲールとプフレの二人が最後まで生き残り、シャドウゲールを活かすために自決して終幕する……と思いました。
けれど真実は違いました。プフレもシャドウゲールも魔王では無かったのです。
探偵魔法少女のディティック・ベルの代わりに、プフレはこの『事件』の数々のトリックを暴いていきます。
それだけではありません。魔王が誰なのか突き止めたのもまたプフレです。
末恐ろしい実力ですよね。魔改造車椅子が固有魔法ですけど、その実、凄まじいまでの頭の回転力こそがプフレの強さと言えます。
考えても勝てない可能性は即座に切り捨て、勝てる可能性から最善を尽くす。
一見すると意味が無さそうなガチャですら利用し、勝利のためのピースにする。
そんなプフレですが常にシャドウゲールが中心になった考えが構築されています。
シャドウゲールの妨げになるものは全て排除し、シャドウゲールが生き残れる最善の可能性を模索する。『記憶』の復活で暴かれた真実もそう。二者択一の究極の選択において、1%でも生き残れる可能性を上げるために非情な選択を決断した――ですし。
でもそんな彼女にも良心というか、怒りのような感情もありますよね。マスクド・ワンダーが殺された時がまさにそれです。表には出ない怒り。
ラピス・ラズリーヌというイレギュラーに驚き、交渉用のカードとして『運営』と交渉をする時はプフレの生の声のようなものが垣間見えていると思います。
プフレが目立つ分だけシャドウゲールが常識的な苦労人ポジションとして描かれていますけど、内心プフレのことを滅茶苦茶に言っているので、単なる主従関係を越えた良い間柄だなーと。応用が効きすぎる魔法なので今後登場しますよねと。いや……再登場するの某所で観ちゃったので実は知ってましたハイ(滝汗&全部ぶち壊し



最後にキーク&スノーホワイト。

キークには殺意と憎悪しか抱けないです。
サイドストーリー読むと印象変わるらしいのですが、読むのはもうちょっと後でしょうかね……。
兎に角、キークは善性で全て行っているのが厄介です。
独りよがりで独善的で結果のために全て犠牲にするというか。
さらに性格悪いなーと思うのは、必ず逃げ道を用意している点。逃げ道に気付かなかったのが悪いって言い切れちゃいますからね。見方変えると正しいって見ることができるのがまたもう……。
そんなキークですがラストは溜飲が下がったのかというと、個人的には下がりませんでした。むしろ後味の悪さが三割増しになったというか因果というか。
この物語って最初から最後まで救いが無いなって思うのです。誰も幸せになっていない。
別にハッピーエンドを望んでいるわけではありません。けれどそれ相応に納得できる後味の良さは欲しくなるのです。特にラピス・ラズリーヌに罪無いだろと。
キークから見た模範的な魔法少女、スノーホワイトを前にして一分もブレることが無かった……のがキークの良いところなんでしょうかね。職人肌というかブレるなら最初からあんなことをするなよで帰結しますし。
スノーホワイトから見ても後味の悪い事件でしょうね。因果は巡るというかなんというか……。





ここからは黒幕・魔王関連について感想書いていきます。

魔王と黒幕が別々なのが厄介ですよね。
そして魔王は実は最初から最後までプレイヤーサイドに干渉し続けていたのが恐ろしいっていう。リオネットと御世方那子が口論し続けていたのも干渉のひとつだったっていう。
そういう意味ではキークが魔王として選定した魔法少女は最適の選択だったわけです。
ただこれで魔王がもしプフレだったら上で書いたとおり、最後シャドウゲールを生き残されて自決しただろうなーと思っちゃいます。魔王に選ばれても魔王に選ばれた部分以外は元のままなんですし。

今回召集された魔法少女。
ラピス・ラズリーヌ以外は全員クラムベリーの選抜試験をクリアした者、というのは絶句モノですよね。だからアカネが「音楽家か?」と聞いて回ったのも腑に落ちましたし、そうだと答えた瞬間、ジェノサイ子が斬り殺されたのも納得せざるを得ないっていう。
どうしてアカネがクラムベリーに復讐したいのかはサイドストーリーを読めば容易に想像できます。直接の描写が無いのが恐ろしい……というかなまじギャグで描かれていただけにきつすぎです。笑顔の先に待ち受けているのは絶望の荒野しか存在できないっていう。
戦える魔法少女が生き残れたケースよりも、戦えない魔法少女が生き残ったケースのほうが、彼女たちが受けた精神ダメージはそれはもう計り知れないものでしょう。
シャドウゲールが記憶が戻った瞬間、嘔吐したのがその証。思い出したくもない記憶でしょうあれは。特にシャドウゲールは悲劇も悲劇、大悲劇です。プフレが血に染めるあの光景を見ているのですから……。
そしてラピス・ラズリーヌが二代目だからクラムベリーのことを知らない、ということは先代ラピス・ラズリーヌはクラムベリーの試験をクリアした、ということですか。今後読み進めていけばその辺も語られていくんでしょうかね……見たいような見たくないような……。

ちなみにクランテイルですが今web連載されている小説、魔法少女育成計画breakdownにも確か登場していましたっけね。まだあまり読んでいませんけど、limitedを読み終えた辺りで読み始めようかなーとか考えています。

黒幕はメルヴィルだったわけですが、メルヴィルが何をやったのか挙げていくと多岐に渡り過ぎてメルヴィルが魔王じゃないとわかった時、ちょっと混乱しました。
残りページ数を考えるとそうなっちゃうのは本ならではの悲しいサガ。でもメルヴィルが退場してからが真骨頂というか加速の付き方が二段階くらい上がるというか。
メルヴィルが退場した時点で生き残っているのは、プフレ、シャドウゲール、クランテイルの三名。でもこの三名の中に魔王がいないってのは中々考えにくかったです。
よく考えれば古典的なトリックと言えるんですけど、死体が出ればそりゃ死んでいるって思っちゃいますよね……最初から最後まで裏で糸を張り巡らせて、その上で自分が疑われない一手を常に打っているっていう……魔王の正体は是非とも本編を読んでビックリして欲しいのです。切なさも抱けるラストになっていますよ……。



ってことで魔法少女育成計画restart後編の感想でした。
restartは間違いなく名作だと思いますし、まほいくはrestartからが真骨頂と言えると思います。スノーホワイトが成長してどういう戦術取るようになったのかも書かれていますからね。アニメを観てスノーホワイトに惹かれた人は是非とも購入すると良いのです。


Q. 魔法少女育成計画restartってどんなお話?
A. 魔法少女育成計画+.hack+金田一少年の事件簿(もしくは名探偵コナン)

って書くと相当な語弊がありますが、多分興味持つんじゃないでしょうか。
それぞれの要素が絶妙なバランスで混ざり合い、他に類を見ない凄まじい小説に仕上がっています。読み始めてある程度まで進むと、気になり過ぎて最後まで読んでしまう――そんな小説がまほいくシリーズ第2巻です。

ちなみに.hackをチョイスしてSAOを選ばなかったのは群像劇だからですハイ。
キリト君に該当できるポジがいませんし(プフレがらしいっちゃらしいですが戦わない魔法少女ですし)。



魔法少女育成計画restart前編(このライトノベルがすごい! 文庫) 
著:遠藤 浅蜊先生
イラスト:マルイノ先生
今回は魔法少女育成計画の2巻の感想です。
ネタバレ多いです。ご注意ください。
今回の記事は前半は解説寄り、後半が感想メインです。特に後半ネタバレが酷いです。

魔法少女育成計画と同じくノベル版はkindle版が今現在(2018年5月2日)存在しないので物理書籍で購入することになりますので、そこだけ注意ですね。



さて、1巻から舞台は一新され、新たなフィールドで魔法少女同士が戦い合う――と思ったら全く異なる展開。バトルロワイヤルから電脳デスゲーム系になります。

restartは最初から『黒幕』がわかっています。
キークという魔法少女が電脳ゲーム世界を作ってしまい、そこに16人の魔法少女を閉じ込めたことで悲劇の幕開けとなります。

今回の魔法少女は前回と違い、最初から試験を合格した現役で活躍する魔法少女です。
つまり自分の固有魔法の強さ・限界を把握しています。さらに一部例外を除いて協調性があり、クリアを目指して手を取り合っていきます。

restartに込められた意味は後編になると真意がわかるのですが、あるルールに従って集められたのが、今回デスゲームを繰り広げる16人の魔法少女です。
restart――つまり何らかの理由で『やり直す』。再試験を行うためにデスゲームを行うことになります。

戦闘能力に特化した魔法を持つ魔法少女もいれば、情報収集に特化した魔法を持つ魔法少女もいます。能力的にどちらにも属せない、一見するとどうやって活躍するんだろうという魔法少女もいます。

例えば主人公格のペチカは『とても美味しい料理を作れる』という固有魔法を持っています。前編の表紙絵の女の子ですね。ペチカの視点でお話が展開する場面は沢山あります。
魔法少女育成計画シリーズのカラーページで紹介される魔法少女コーナーは、どちらかというと固有魔法が過小申告されています。
ペチカの場合、触れた物を美味しい料理に変えることができます。厳密にはもう少しルールが追加されるんですけど、説明には十分でしょ。

こう書くと、一体ペチカはどうやって活躍するんだろ、と思うのではないでしょうか。
魔法少女は変身している間、飲まず食わず眠らずで活躍し続けることができます。解除しない限り、料理に頼る必要性は一見すると無いんですよね。
ところが巻き込まれた電脳デスゲームでは空腹の概念があります。
飢えは辛いです。ペチカの料理を作る魔法は、『役立たず』であるペチカに活躍の場を与えます。ペチカの『チーム』は特にほんわかする組み合わせなので必見なのです。


少し脱線しました。本筋に戻します。
1巻と違い、restartで活躍する魔法少女はそれぞれ現役で活躍する魔法少女です。
『魔法の国』から正式な魔法少女として認められ、悪をくじき、弱きを助けます。

さて、ここで問題になるのが魔法少女は果たして『職業』として認められるのか、という点です。これに関しては次シリーズのlimitedのほうがより詳しく書かれるのですが、restartの序盤、マジカルデイジーのパートで生々しく説明があるのでご覧になると良いのです。……魔法少女に夢も希望も無いじゃないかと思うこと安請け合いです。


デスゲームもかなり凝った趣向が用意されています。
普通のデスゲーム系は閉鎖空間なり電脳空間なり閉じ込められると、クリアするまで脱出できないのが定石です。脱出されたらデスゲームの根底が崩れちゃいますからね。

ところが魔法少女育成計画restartのデスゲームは一味違います。なんと脱出できます。
正確には現実世界に帰還することができます。

どういうことか書くと、現実世界で3日間とゲーム内世界で3日間(現実世界だと一瞬)を交互に繰り返すことになります。

ゲーム内で死ぬとリアルの身体も死にます。

ただし、例えばゲーム内世界で首チョンパされてもリアルの身体に起こるのは心臓麻痺による突然死ですので、そういう意味では『綺麗な死体』となる今シリーズは『救い』があるのかもしれません。巻き込まれた側は溜まったものじゃないですけど。

では現実世界とゲーム内世界を交互に繰り返すと、一体どういうメリットがあるのでしょうか。それは登場人物のひとり、探偵系魔法少女ディティック・ベルが現実世界だからできるあることを証明します。現実世界に還ってくるパートがあることにより、より物語に深みが、厚みが増す展開になっています。

デスゲームはゲームクリアすることで終わらせることができます。
ゲームクリアとは立ちはだかる『魔王』を倒せばゲームクリア扱いになります。
無論、そんな簡単な話ではなく、立ちはだかる敵モンスターのせいで斃れる魔法少女も数名出現します。
最初に退場する魔法少女はフラグが立っていたとはいえ、そんな序盤では死なないだろうと思っていただけにビックリしました。キャラが立つと死亡フラグなんでしょうかこのシリーズは。

ちなみにデスゲームに巻き込まれるだけだと相当な理不尽ですが、様々な『条件を満たす(クエスト)』を行うことで該当するだけの『賞金』をゲットすることができます。それとは別に参加するだけで賞金が貰えます。
実際賞金が振り込まれた描写もありますので、賞金のためにやる気が増す魔法少女も出てきます。キークが独断で行っているので、キークはお金持ちなんでしょう。きっとね。

別に魔法少女たちはゲームに参加したくてゲームをしているわけではありません。
いきなり巻き込まれた形になるので、当然ながらゲームマスターに反旗を翻すんですけど神の上の存在、どうにもできないので渋々ゲームクリアを目指します。

そうなるとソロよりもチーム(パーティ)を組むほうが方々で都合が良くなります。
ただし全員一緒というわけにもいきません。
これは二番目に脱落した魔法少女が発生したことで顕著な展開になります。
敵はモンスターだけでなく、味方であるはずの同士、魔法少女の中にもいることが確定してしまうのですから。ただし犯人は誰なのかわかりません。自然とチームとチームの間で距離がとられていきます。

魔法少女同士数名でチームを組み合う関係上、チームごとに空気感が生まれます。
マジカルデイジーチーム、ペチカチーム、プフレチーム、ディテック・ベルチーム。そしてソロで活動するアカネですね。アカネは別としてそれぞれの4チーム、ほんわかする描写が沢山ありますのできっと読んだ人は癒されるに違いありません。

先に断りをいれると、ソロで活動しているアカネの魅力はサイドストーリー集、episodesに収録されているので、本編だけ読んでアカネを「何こいつ」って思われた方は是非読んで欲しいです。アカネのイメージが180度変わること間違いなしですので。
(と同時にrestartとセットで、なんて残酷なシナリオを作者様は思いついたんだってと思ってしまうでしょうね……)


冒頭で、

Q. 魔法少女育成計画restartってどんなお話?
A. 魔法少女育成計画+.hack+金田一少年の事件簿(もしくは名探偵コナン)

と書きました。

電脳ゲーム世界を冒険し、ゲームクリアを目指す.hack的な面白さ。
味方の魔法少女を殺していく『真犯人』を調べる金田一少年の事件簿的な面白さ。

この2つの融合具合が凄いのです。

中後半、とても大きな謎が発生します。
端的に書くと登場人物の一人がみんなの目の前で『殺されます』。
ところが誰がどうやって殺したのかわからないんですね。一見すると全員監視下で正しい手順をしているように見えるので、誰にも殺せない……『不可能犯罪』というやつです。

この、『真犯人』が『どうやって』殺したのかというトリック的な面白さですね。魔法少女だからって何でもできるわけではありません。固有魔法がどこまで作用するか推理し、何が裏で行われたのかじっくりと解き進めていけば、きっと後編の『答え合わせ』はより面白く感じることができるでしょう。

というかウチ個人は推理漫画、推理小説が好きなんですけど、推理劇方面で魔法少女育成計画restartをお勧めしたくなるんですよね。
後編で暴かれる怒涛の答え合わせは膝を打つこと間違いなしだと思いますので。加速の付き方が1巻の非じゃないくらい尋常じゃないんですよね。
「それ伏線だったのかよ!」とか、「それで○○が××だったのかっ!」的にドーパミンがドバドバですよ。魔法少女同士によるバトル以外でも楽しめたのは予想外の収穫過ぎました。


最後にゲームマスターサイドでもお話が展開されるのがrestartの面白さです。
ゲームマスターであるキークは、ある理由で魔法少女たちを集めてゲームに強制参加させました。これは再試験の意味合いが非常に大きいです。

ではキークから見た模範的な魔法少女も当然いるわけです。そんなキークから見た模範的な魔法少女が、1巻で生き残ったスノーホワイトなんですね。

1巻の段階だと右往左往して終始戦闘方面的な活躍の場は無く、ほとんどが犠牲になっていく魔法少女たちに対して悲しみを抱き、涙を浮かべ、心が打ちのめされていきました。

そんなスノーホワイトですが、1巻とrestartの間で修業します。
修業はスノーホワイト育成計画で描かれているので、気になるって方は前回記事をご覧になると良いです。
そんな修行を終え、スノーホワイトは大幅にパワーアップして帰ってきました。

スノーホワイトの固有魔法は、『困っている相手の心の声が聞こえる』です。
一般的なテレパスと違い、相手が困っていないと心の声が聞こえないのでとても条件が限定されます。
これが『相手の声が聞こえる』だけだとどうなるのかというのは、スノーホワイト育成計画で描かれています。テレパスが登場するサブカルではよくあるアレなことになります。怖すぎでしょ……。

さて、修行を終えてスノーホワイトがどうなったのかというと、心身共にパワーアップします。身体方面は使えるものは何でも使う、たとえが悪いですが泥臭さを身に着けます。
問題は魔法方面。『困っている相手の心の声が聞こえる』の本質的な部分は変わらずに、全く違う進化を果たしてとんでもないことになります。
心を持たないとか本質的に心を読まれない限りはスノーホワイトがチートキャラと化してしまった、と思う人も出てくるかもしれませんねあれは……。

そんなスノーホワイトがrestartでも登場します。
駆け引きの強さも強くなったスノーホワイトの活躍も、是非ご覧になって楽しむと良いと思います。メインで活躍するのは後編ですが、前編でも強くなったスノーホワイトを目にすることができますので。





ここまではどちらかというと世界観に対する説明を中心に書かせていただきました。
それではここよりrestart前編の感想を書いていきたいと思います。
感想という名の殴り書きです。まとまっていないのでご注意ください。


まずマジカルデイジー。
魔法少女ってあんなにわびしい生活になるのかと頭が痛くなりました。
そりゃ魔法少女として活動している時間は、全てリアルの生活が犠牲になっていますものね。他の職業を兼任しつつ魔法少女も並行して行う敷居の高さを垣間見えました。

そしてマジカルデイジーの固有魔法の凶悪さは笑いました。
あれですよね。分子分解の殺人光線打ち出すってことですよね。致死性が高すぎて早い段階で退場するだろうなと思ったら本当に最初の退場者で唖然としました。
それも誰かに殺されるんじゃなくて事実上の自殺(事故)ですからね……このデスゲームはヤバいと思いました。


別の意味でヤバいと思ったのは、上で書いた死体はあくまで突然死のみに留まること。
電脳ゲーム世界でダメージを受けても現実にフィードバックしない(するのは死んだ時のみ。心臓麻痺として処理)のは現実なのに現実ではない(ある意味では事実ですが……)的な意味で恐ろしさがにじみ出るだろうなーと思いました。

それを調べて突き止めるディテック・ベルも良い味出しています。
ディティック・ベルが調べて突き止めなければ、死が現実にフィードバックすることに対する確証性が無かった=ファルの発言に真実味が出なかったですものね。


ファヴとファルって同型の電子妖精ですけど、ファヴの前例があるだけにファルに対してはどこまで信用していいのか常に不信感を持って小説を読み進めていました。
表層と深層って違いますし、着飾っていても実は裏では……なんてこともあり得ますし。
キークが暗躍しつつも実はファルが真の黒幕だったーなんて展開も予想しちゃいます。

けれど読み進めれば読み進めるほど、ファルがファヴと違って魔法少女たちを助けよう助けようと善処しているのが伝わってくるんですよね。じゃあ信じていいのか、信じ切っていいのか、背中を見せた途端に本性出すんじゃないかって警戒しちゃうっていう。
語尾がなまじ同じなだけに……ですね。

ロボット三原則ってありますけど、キークの魔法によって強化された電子妖精だからこそファルは叛逆できる余地がありましたよね。これが半端だったらファルはあそこまでギリギリの言葉を出すことはできなかったんでしょうね。


次にペチカチーム。
後編を最後まで読むと印象がかなり変わると思います。表層はあくまで表層というか。
別に悪い意味じゃないんですよ。良い意味なんですよ。良い意味で騙されたーというか。後編読むと前編読み返したくなるパーティというか。

役立たずの烙印を押されたペチカが奮闘して信頼を掴み、ペチカが中心になっていく過程は実に良かったです。その分リーダーであるクランティルの影が薄くなっている気がしますが、後編で一気に花が咲くので前編だけだと少々淡泊というか。
クランティルの魔法は応用というか妄想するのが楽しいのです。何と組み合わせれば何ができるんだろうー的な……ね。

御世方那子は読み返すと地味に伏線が張られていて、

 御世方那子には、とても可愛い「たまちゃん」というお友達がいて、しかしゲーム内に連れてくることは叶わなかった。ファルに聞いたところ、魔法少女の武器とコスチュームくらいしかゲームに持ち込めないのだという。
(83Pより引用)

こんなところに伏線張っていたのかっていう。
どの辺が伏線なのかはrestartだけでは読み解けないのが末恐ろしいですね。確かに別のところで伏線あったんですけど、まさかここに繋がってくるとは……。

御世方那子とリオネッタが頻繁に揉めるシーンが好きです。
好きなんですけどこれまた後編読むと印象が変わってしまうっていう。ほのぼのとしたシーンにすら伏線張られていて、怒涛の勢いで回収される伏線のお陰で前編で書ける感想って結局後編を読み終えてしまうと断片的になってしまうではないかっていうね。

なお、リオネッタですが人形の外見はマジカルアンドロイドという前例があっただけに油断していました。何のことかは後編に書きますね。気持ちの良い騙されたーでした。お嬢様口調で漢字名なのにカタコト日本語な御世方那子と会話相性良いなーとか色々書きたいんですが上手くまとまりそうにないので止めておきます。
ただ、のっこちゃんは別格として癒された一角を担っていたのは、間違いなくこの二人だと断言します。

ペチカはっていうと電脳ゲームパートよりも、リアルパートのほうがやはり印象に残ります。魔法少女は魔法少女であることをバレてはいけないというルールがありますが、バレなければリアルで誰しもに見られる活動が可能であるという観点を最大限に利用したキャラだと思いますし。

その上でやはりペチカも前編と後編で一気に印象変わっちゃうっていう。前編で生き残ったキャラ、生き残れなかったキャラ。結局全員印象が丸ごと変わってしまうのがrestartの恐ろしさですね。あーもう前編と後編をセットの感想記事にしておけば良かったですね全くorzlll


次にラピス・ラズリーヌとマスクド・ワンダー。

はいはいはーい。魔法少女育成計画restartで好きなツートップです。
どの辺が? そりゃあもう、ポーズ取り合うあの場面で一気に惹き込まれました。

しかもラピス・ラズリーヌはあの清楚正統派っぽい見た目で「~っす」ってキャラですからね。ギャップ萌えってヤツですよ。前編だけだと頭ゆるい子っぽく見えるのがアレですが、東北っぽい訛りを喋るメルヴィルの翻訳できていますからね。この時点で才女の才覚が現れているわけです。それだけに後編で一気に化けるのは魅了されること間違いなしですよ……。

マスクド・ワンダーは強烈な決め台詞があります。

「我が名はマスクド・ワンダー! 力ある正義の体現者『魔法少女』!」

これだけで優勝です。初見時盛大に吹きました。
それだけにクセに残るんですよね。作者様のセンス大爆発です(誉め言葉)。

あとepisodesを読まないとわかんないんですけど、意外なところで他魔法少女と繋がりがあったことがわかったりと後になってより良い味が出るタイプです。
それだけにあんなに早く退場するとは思いませんでした。何気に魔法のポテンシャル☆5と世界を変えかねない力の持ち主なので、悪用すればそれはもう凄いことになったんだろうなーと……。


次にディティック・ベル。
探偵と魔法少女という面白い組み合わせだと思いました。
その上でこの小説になくてはならないキャラだと思います。ディティック・ベルがいたからこそ、このデスゲームをクリアできたのだと思いますし。

後編のお話になってしまいますがラピス・ラズリーヌとの絡みが好きです。
大好きといっても過言ではないです。前編では推理に主軸を置いている反面、主張力は抑え気味な印象があるんですけど、後半のある場面で一気に魅力が開花したというか。

そしてシャドウゲールに負けない苦労人ポジションに見えました。
一見するとまとめ役として最適なようで、イロモノ揃いの他メンバーをまとめるのは荷が重すぎたというか……。


次にプフレとシャドウゲール。
シャドウゲールは後編の表紙絵に抜擢されているとおり、このデスゲームをクリアする超重要な要になった魔法少女です。
そしてシャドウゲールはプフレとセットで電脳ゲームパートもリアルパートも大活躍するっていう美味しいポジです。

ちなみにシャドウゲールの名前を見て、真っ先にシャドウグールと見間違えたのは秘密です。(遊戯王参照)

シャドウゲールは振り回されている苦労人ポジがにじみ出てているんですけど、全幅の信頼をプフレに捧げているのがよくわかる上で割と身も蓋もなく滅茶苦茶に貶しているのが良いなーと。嫌っているわけではなく、信頼しているからこそ遠慮が無い発言をしているというか。

プフレも同じ。でもどっちかっていうと、プフレは底が見えない恐ろしさのほうがありますよね。冷淡ってわけでは決してないんですけど、研ぎ澄まされた刃の先端というか、一にも二にも十にも論理的思考の極地というか。勝ちに貪欲というか。
布石をどんどん打っていてやはり後編で回収されるっていう。特に一見すると無意味そうな『ガチャ』が実は重大なカギを握っているとは夢にも思いませんでしたよ……明かされるのは後編なのでその時に詳しく感想書きます。

あとプフレは『猛スピードで走る車椅子を使うよ』というカラーイラストの説明を見て、てっきり足が不自由な魔法少女なのかと思っちゃいましたです。普通に歩けるじゃんっていう。
その上でシャドウゲールとの相性の良さは凄まじいですね。車椅子の概念がどこかに吹っ飛んでいきましたですよ……。


次に夢ノ島ジェノサイ子。
ムードメーカーですよね。立ち回りがとてもステキでオタク知識も相まってマジカルデイジーらとの会話がとても微笑ましかったです。

さてこの魔法少女は固有魔法がとても強烈で、1巻のハードゴアアリス並みにどうやって退場するんだろって気になっていたキャラです。
……相性が悪すぎましたね。無敵に近い防御でもどうしようもない攻撃もあるというか……無念としか言いようが無かったです。早い退場が惜しかったです。
ただ前編のクライマックスでああいうことがありましたし、前編を読み終えた時は割と頭が混乱していたのを覚えています。死んでなかったの? って思っちゃいましたし……。


次にアカネ。
電脳ゲームパートにおいて、ソロで活動している魔法少女です。
なんであんなことになってるのって思っちゃうんですけど、episodes読むと「こりゃ心が壊れるわ……」って思っちゃいますね。

restartでは終始殺意を飛ばしまくった心が壊れたキャラと化していますが、サイドストーリーの挿絵の笑顔、そして善性に溢れた性格が辛い……。

多分魔法少女育成計画において、一番酷い仕打ちを受けた魔法少女ではないでしょうか。あのサイドストーリー、なまじギャグと化しているだけにそのあとを想像すると筆舌に尽くしがたいことがあった、ですよね。結果の想像はできても過程の想像できない(拒否)ですよあれは……。


次に@娘々
まずなんと凄まじい名前なんだと思いました。そして一昔前の漫画やアニメでちょくちょく見かけたあの口調でキャラが立っています。
強キャラ感と不安感のアンバランスさで奇妙な魅力が立っているキャラだと思います。特に対アカネ戦の大活躍、そして非業の最期を遂げるアンバランスさですね。
魔法少女育成計画restartの前編は、後編と比べると「え、こんなところで退場するの」という予想だにしない幕引きがあります。

マジカルデイジーもそう。マスクド・ワンダーもそう。そして@娘々もそう。
あの場面で夢ノ島ジェノサイ子が再登場したのは意味がわかりませんでしたし、てっきり
夢ノ島ジェノサイ子が操られているか何かで@娘々を殺そうとしている……と思ったらアレですからね。あれは予想できそうでできないですよ……しかもこの時の展開はそのまま後編の伏線にもなっている末恐ろしさですよ。


次にメルヴィル。
前編だけ読むと意思疎通が困難だけどすんごく良い人に感じました。
意思疎通の関係で、ラピス・ラズリーヌとセットで登場する場面が多いので、あー終盤までこの二人は生き残るんだろうな、もしくは二人セットで退場するんだろうなと思いました。

そんなメルヴィルですが、やはりサイドストーリーを読むと印象が変わるキャラです。可愛いんですよ……これがまた。まさかあの魔法少女と面識あるとは思いませんでした。


次にチェルナー・マウス。
読み終えると、ある予想ができるのではないでしょうか。
その予想をドンピシャで当てたので実に一人勝ちーみたいな変な(?)充足感がありました。ケースが異なりますが前例がありましたし、割と何でもありなんだろうなと思いました。そうなると一体どうやってスカウトされたんだろって思っちゃいますね……。
似たようなケースは次シリーズ、limitedにもありますけど、あの場合は有無を言わさず強制契約に近いものでしたし……。
チェルナーの魅力はepisodesに収録されたサイドストーリーですね。やっぱし。
restartを読んだあとでこのサイドストーリーを読むとチェルナーに対する印象が変わると同時に、何とも言えない切なさに包まれましたね……。

あとやはりチェルナーは固有魔法が単純明快にして強力無比なところが良いですよね。
まるで大怪獣バトルのように盛り上がるあの場面はとても面白かったです。
と同時に退場フラグが同時に立っちゃいましたよね。マジカルデイジーもそうですが、強すぎる魔法少女って烙印が押された瞬間に死亡フラグが立ってますよね……。

基本的にrestartに登場する魔法少女ってスノーホワイトと約2名を除くとみんな良い子なんですよね。良い子なんですけどこうしてデスゲームに巻き込まれてしまったっていう……ifを考えちゃいますよね。チェルナーは幸せになって欲しかったって思ってしまいましたし。


次にキーク。
ゲームマスターです。今回のお話の諸悪の根源です。
ただキークもまた、後編を読み終えると印象が少し変わります。
これが良い意味でなのか悪い意味でなのかっていうとわかりません。後味の悪さは大きくなりましたね……溜飲が下がるということは無かったです。
キークは凄く自分勝手ですけど、決してそれが悪いこととして行っているのではなく、本人から見れば良いことを行っているって思っているんですよね。大迷惑にも程があるんですけど……そんな気持ちは後編、ラピス・ラズリーヌ関連で吹っ飛んじゃいましたけどね。それについては後編の感想で詳しく書きます。

ちなみにキークは衣装がかなり過激なことになっています。
アニメにもしなった場合はどうなるんだろって思っちゃいます(そっちかよ


最後にのっこちゃん。
癒し枠。小学生なのに魔法少女歴がとても長いという大ベテランです。
のっこちゃんまでが魔法少女名です。どうしてちゃんまで付いたのかって理由で盛り上がった序盤はほんわかしましたです。
その上母親思いで魔法少女と魔法少女を繋ぐ潤滑剤の役割を担っているというか。

そんなのっこちゃんも例外ではなく、後編を読むと印象が変わります。
印象が変わるツートップがのっこちゃんとラピス・ラズリーヌではないでしょうかね。良いか悪いかは別にして。のっこちゃんの場合はふり幅のメーターが振り切れます。本当に……本当に……どうしてこんな……。


前編も後編も、restartでとても良いワードが出てきます。

 戦う魔法少女と戦わない魔法少女

戦わない魔法少女が弱い……とは限らないわけです。
戦闘向きの性格、戦闘向きではない性格。
restartはどちらかというと戦闘向きの魔法少女が早い段階から退場します。けれど残った魔法少女が弱い……なんてことは全く無いのです。
魔法少女の強さは固有魔法、そしてセンスが大きく占めると言っても過言では無いと思います。一見すると役に立たなそうな魔法も使い方次第では十二分に化けるのです。
特に後編のペチカは目を見張るものがあります。さすが前編の表紙絵を飾った魔法少女だなーと思いましたからね。


前編はデスゲームをコツコツ攻略することに主軸が置かれています。
それとは別に、一体イベントアイテムを誰が隠し持っているのか、という謎が大きく残ります。この謎が解けても第二第三の謎が立ちはだかり、結局前編だけでは推理しきれないじゃんっていう。
そんなrestartですが、前編はじっくりとお話が進む分だけスローペースな印象がとても強かったです。退場する魔法少女の人数が少ないのも原因かもしれませんね。後編は後半怒涛の勢いで退場していきますし……。

ちなみにコミックス版は個人的にオススメしにくいです。
理由は最初のマジカルデイジーのオフの部分が最初の段階で省かれているからですね。
魔法少女の光と闇というか、そういう現実が待っているのかーって思ってしまうの大事だと思うんですね。血みどろ殺戮だけが魔法少女育成計画の魅力では無いと思うのです。世知辛いブラック会社よろしくな部分が明らかになっていくところも好きなんですよね。


ってことで魔法少女育成計画restart前編の感想記事でした。
ほぼ全員分の感想を後半書き殴りに近い形で書いたので読み難い記事になっていると思います。ごめんなさい。後編は読み易い記事にしたいですね……。


はい。
今回はいただいたコメントを参考に、どうせならとより魔法少女育成計画が楽しめるように様々な情報を載せていきたいと思います。

時系列は無印(1巻)からrestart(2・3巻)の間をベースとします。
amazon primeで閲覧できるアニメ情報は前回載せたので省きます。



まずはコメントにもありましたとおり、スノーホワイト育成計画
無印の段階ではスノーホワイトは右往左往して人助け以外で活躍したのは、最後のファヴに対して心を読み取ったあの一場面くらいでとても戦闘方面で活躍できそうには見えないですよね。性格が平和で温和で戦闘に向いていないのも大きいです。

でも『魔法少女育成計画』であれだけの凄惨な殺し合いが行われてしまったので、スノーホワイトの心境が大きくぐらついて変化します。具体的には修行して強くなります。強くなった結果、どうなったのかはrestartをご覧になれば一目瞭然です。

一部界隈ではスノーホワイト→白雪姫→修羅雪姫なんて呼ばれているので、どれくらい強くなったのかはお察しください。

無印のエピローグで強くなったスノーホワイトの片鱗が見えますが、どうやって強くなったのか、そこを補完するのがスノーホワイト育成計画です。

restartは既にスノーホワイトが強くなったあとの話ですので、修行の過程を観ることが叶うのは、このスノーホワイト育成計画しかありません。

restartの前に読むべきか読まないべきか中々悩ましいところがあります。
スノーホワイト育成計画は新装版にも含まれていて、さらには元々webで無料公開されたものです。
今現在でも閲覧可能ですので、是非ともrestartを読む前、もしくは読んだあとにご覧になると、より世界観に深みが増して良い化学反応を起こすと思います。
ちなみに個人的に、ですがリップルも登場する関係からlimited前編をお読みになられたあとでご覧になるのをお勧めします。restartとlimitedで読み返しをしたくなるかもしれないですけどね。

直リンク貼るのはネチケット的にアウト過ぎるので、下記リンクからご覧になってください。

特別編集版 魔法少女育成計画[単行本]
次にオフィシャルガイドブックです。
どの辺がお勧めなのかっていうと各魔法少女のパラメータが載っています。
実はシスターナナはパワータイプだったとか、ねむりんは世界に干渉できる水準の魔法の持ち主だったーとか小説では得られない様々な情報を多数得ることができます。
さらに遠藤浅蜊先生、マルイノ先生両名による大多数のコメント、対談も掲載。各巻のカバーイラストを拡大したものなど、多数イラストも載っています。

欠点は当たり前といえば当たり前になるのですけど、resart以降の情報も多数載っていること。つまり順番に読み進める場合はフライングをしてしまうことになります。

具体的にどこまで載っているのかというと、本編はACES(ナンバリング換算だと7巻)、サイドストーリーはepisodesφ(サイドストーリー集3巻)まで情報が載っています。

どちらかというと、どんな魔法少女が登場するのか、という部分のほうがフライングネタバレになります。どうしてかというと表面上だけでなく、鋭い切り口のコメントも書かれているからですね。その辺も気にするのであれば購入するのは後回しにしたほうが良いかもしれません。

魔法少女育成計画 オフィシャルファンブック[単行本]
次にwebコンテンツ、月刊魔法少女育成計画です。
今現在も更新が続いているコンテンツで、魔法少女育成計画の新情報が更新されていくwebコンテンツとなります。
一昔前のインターネットサイトのようにスノーホワイトとファヴが案内役として更新情報を解説してくれます。
ファヴが登場すると聞いてヘイトが上がった方はご安心。
スノーホワイトといっても修行したあとのスノーホワイトですのでファヴは睨まれただけで怯えるような状態になっています。安心ですね。

なお、書き下ろしの短編がいくつか閲覧できます。
しかしどの時系列のお話か書いていますが、無印直後のものは現在(2018年4月30日)ありませんので、もう少しシリーズを追った後でご覧になると良いです。

月刊魔法少女育成計画



最後にサイドストーリー集、魔法少女育成計画 16人の日常です。
episodesはrestartも含んでしまうので、episodesをお読みになるのはrestartを読み終えたあとにすると良いです。

魔法少女育成計画 16人の日常 (このライトノベルがすごい! 文庫) 
魔法少女育成計画 16人の日常 (このライトノベルがすごい! 文庫)
16人の日常は小説1巻のみにスポットライトを当て、いくつかのサイドストーリーが載った小説です。本編小説1巻はとにかく退場スピードが尋常ではないので、どういうキャラなのか、どういう一面があるのか掴みにくい部分がネックです。
そこでそれらを補完できるのが16人の日常です。
特に印象が変わるのはルーラ、そしてシスターナナではないでしょうか。

ルーラは小説だと苛烈なブラック上司的な一面が大きくフューチャーしていますが、アニメをご覧になればわかりますがとても面倒見が良くて責任感が強い人です。
そんなルーラの非魔法少女時を垣間見えるエピソード、『偉大なるリーダーの苦悩』をご覧になれば、きっとルーラに対する印象が大きく変わるでしょう。
良くも悪くもお堅い人ですので、一周まわってシュールというかシリアスなギャグというか、とにかく真面目なのに噴き出してしまいそうになるシナリオ展開にほんわかすること間違いなしです。というかファヴとクラムベリーが暗躍しなければ、人数減らしを行うにしても記憶を失わせるだけで済んでいたので、誰も死なずに済んだんですよね……辛い。

シスターナナは小説本編ではヴェスウィンタープリズンと相思相愛ですが、そうなる前はどうだったのか……という点でとても意外な展開を『サークルの王子様』で目にすることができます。一行目からビックリすると思いますよ。

小説本編だと一瞬で退場したねむりんが登場するエピソードは、『アリス・イン・ハードゴアドリーム』。小説の時系列で考えると、ハードゴアアリスが魔法少女になる前にねむりん退場した気がするんですけど……細かいところを考えてはいけませんね。
ねむりんとハードゴアアリスのみならず、多数登場キャラの補完要素があるとても質の高いサイドストーリーです。是非ご覧になると良いです。

余談ですがハードゴアアリスって不思議の国のアリスのアリスと、元の名前、鳩田亜子から名前取ってハードゴアですよね。多分。



ということでいくつか補完情報を説明させていただきました。
コミックス版は読んでないので中身を知らないのに紹介するのはどうなの? ってことで説明を省いています。もし興味があれば其方も併せてご覧になると良いかと思います。

魔法少女育成計画(1) (角川コミックス・エース)
魔法少女育成計画(2) (角川コミックス・エース)


Q. 魔法少女育成計画ってどんなお話?
A. ハム太郎の声で「ボクと契約して魔法少女になってよ!」と言われる小説

って書くと相当な語弊がありますがおおよそ間違ってないです。
端的に書くと『魔法少女』になった者同士が戦い合うバトルロワイヤルです。可愛らしい女の子が10~人ほど登場しますが、毎回生き残るのはほんの僅か、片手で数えられるほどです。恐ろしいです。

魔法少女育成計画(このライトノベルがすごい! 文庫) 
著:遠藤 浅蜊先生
イラスト:マルイノ先生
魔法少女育成計画 (このライトノベルがすごい! 文庫)
遠藤 浅蜊
宝島社
2012-06-08





今回は魔法少女育成計画の1巻の感想です。
ネタバレ多いです。ご注意ください。


魔法少女育成計画のノベル版はkindle版が今現在(2018年4月30日)存在しないので物理書籍で購入することになります。そこだけ注意ですね。コミックス版はkindle版があります。

さて、魔法少女育成計画――略してまほいくは巻数の重ね方が少々独特で、

(本編)
魔法少女育成計画
魔法少女育成計画 restart(前編)
魔法少女育成計画 restart(後編)
魔法少女育成計画 limited(前編)
魔法少女育成計画 limited(後編)
魔法少女育成計画 JOKERS
魔法少女育成計画 ACES
魔法少女育成計画 QUEENS

(サイドストーリー)
魔法少女育成計画 episodes
魔法少女育成計画 16人の日常
魔法少女育成計画 episodesΦ

さらにweb連載の魔法少女育成計画 breakdownがあります。
魔法少女育成計画 breakdownもいずれ書籍化されるんでしょうけどページ数の関係で『スリム』になるのだろうと思われますのでweb版を見たほうがきっと良いです。

web漫画の魔法少女育成計画F2Pもあります(続きいつ来るのかしら……)。

前編後編とあるようにrestartとlimitedはそれぞれ2巻構成。
JOKERSからQUEENSは3部作と呼ばれています。ウチは今のところlimited前編まで読み終えました。

1巻である魔法少女育成計画をアニメにしたものが魔法少女育成計画アニメ版です。
今現在(2018年4月30日)amazon prime特典で観ることができますのでとてもお勧めなのです。

今回の感想はそんなアニメ版とノベル版の比較も行いつつ進めてまいります。

まず魔法少女育成計画は群像劇です。
主人公は決まっていますが、視線がコロコロ変わるので複雑な構成になっています。
アニメ版は魔法少女育成計画にサイドストーリーであるepisodesなども足したものになっていて、アニメ→小説の順に見てしまうと中々面食らうと思います。

どうしてか。
描写が淡泊で淡々と進むからです。
魔法少女育成計画は1巻でも綺麗に完結するのですが、restart以降を読むと序章なんだなと思うはずです。
特に主人公であるスノーホワイトの真価が発揮されるのはrestart以降ですし、1巻だけ読んで「なにこの主人公」って思ってしまうのはもったいないです。
スノーホワイトについては別口で次の記事で補足しますので其方も併せてご覧になってください。

少し上で淡々と進むと書きましたが、特にねむりんの扱いにはビックリしました。
アニメ版は登場人物となる魔法少女16人全てにスポットライトが当てられた構成になっています。さらにアニメ版で補完された部分も相当数あり、小説版を読むとあまりのあっさりとした退場シーンにページをめくり返したくなるのではないでしょうか。
ねむりんは特に顕著で、チャットシーンで少し『会話』があるだけですからね……アニメ版のリアルねむりんの描写を見ているとビックリしちゃいます。

小説版とアニメ版は補完要素を除くと概ね同じなんですが、時系列の組まれ方が大きく違います。

アニメ版はスノーホワイトこと、姫河小雪が魔法少女育成計画に巻き込まれる少し前から始まります。
小説版は始まった時点で既にスノーホワイトは大活躍して、鳩田亜子がスノーホワイトから助けられる場面から始まります。つまりアニメ1話の中盤が小説版の冒頭になっています。
これはアニメから入ると鳩田亜子が『伏線』となっていて、正体が判明した時に驚きになるだろう展開を見据えているからだと思います。それにスノーホワイトになる前から始めたほうが、より主人公らしく見えると思いますし。

ではアニメ版を見れば小説版1巻を読まなくても良いのかというと、半分正解半分不正解だと個人的には思います。
例えばシスターナナの内面描写がアニメだけだとわかりにくいんですよね。
シスターナナはヒロイックな立ち振る舞いをして夢物語を語るような感じです。頭の中がお花畑……ではなく、そう立ち振る舞う自分が好き、なんですよね。
これはヴェスウィンタープリズンが退場したあと、シスターナナが自室で自殺する少し前に大きく描写が書かれています。

(中略)
 シスターナナには絶対に真似できない。

と。
かなりゾッとしちゃいましたね。
アニメ版を見ると、ウィンタープリズンが倒されたことがそれはショックでショックで薬や酒に溺れ、魔法少女に希望を見いだせなかったから自殺するような流れになっているだけに。

描写が簡素、淡泊だからこそ良い場面もあります。
例えばラ・ピュセルとクラムベリーが戦う場面。
アニメ版だと決着の瞬間まで書かれていますが、小説版は戦いが始まるところで場面が終わり、直ぐに葬式の場面まで時系列が飛びます。
こうするとどうなるのかというと、クラムベリーの強キャラ感が増すわけです。書かれないことで力の底が見えない恐怖感が強くなるのです。
そんなクラムベリーもあっさり退場しますし、強キャラは強キャラだけど死ぬ時は死ぬというリアルというか無情というか、先が読めない展開になっています。
魔法少女育成計画って巻数進めると特にそうですけど固有魔法の相性がそのまま決着に結びつくことがあるんですよね。スタンドバトルが近いんじゃないでしょうかね。ある方向性には滅法強いが、ある方向性には滅法弱いっていう。

ちなみに小説版を読んで一番驚いたのは、ウィンタープリズンのマフラーが飾りでは無かったことです。アニメ版だとクラムベリーに引っ張られてデメリットと化していました。
小説版は逆にマフラーを使ってクラムベリーを追い込む一手に一役買っています。それ操れたのかよ! と思っちゃいましたよもう……。

1巻で特に好きなキャラはトップスピードです。
アニメ版と小説版も退場が惜しすぎて心の中で崩れ落ちました。特にアニメ版は『絵』がある以上、ある情報がさらに突き刺さることでしょう。
サイドストーリーを読むとスイムスイムにそれ教えているんですよね。
それを知った上で躊躇なくトップスピード屠るのかよ……あんまりだよと思ってしまいます。まぁスイムスイムの正体が正体で善悪の判断、魔法少女育成計画の人数減らしで流れが作られてしまっているので仕方ないっちゃ仕方ないんですが……。

ちなみに退場が一番ショックだったのがラ・ピュセル。
スノーホワイトを守るポジで最後まで生き残ると思っていただけにビックリしましたよ……。

小説版はアニメ版と違ってかなり簡素にサクサク進みます。
が、魔法少女の衣装、風貌の描写は凄まじい力が入っています。これは是非とも読んで確かめて欲しいです。無茶苦茶凄いです。
簡素でも内面描写はしっかり描かれていますから感情移入し易いと思います。考えに対して同意できるかは別にして、ですが。

加速の付き方が凄いので、できればアニメを観る前に小説を読むととても面白く味わえると思います。カラミティメアリ戦からエピローグまで100ページも無いですからね。凄く早いのです。びっくりするほどに。でも描写しっかりありますからね。凄いのです。

そういえばこの記事の頭で、

Q. 魔法少女育成計画ってどんなお話?
A. ハム太郎の声で「ボクと契約して魔法少女になってよ!」と言われる小説

と書きましたが、電子妖精ことファヴに対するヘイトの溜まり方はそりゃあもう凄いです。
似たようなポジションで魔法少女まどかマギカにキュゥべえがいます。
双方魔法少女に勧誘するのは同じですが動機が全然違います。

キュゥべえは人間視点から見た倫理性は欠如していますが、キュゥべえ自身は宇宙を守るために行動を起こしています。できるだけ譲歩もしようとしています。

それに対してファヴは必要なことは話さないわゲームマスター(厳密には違いますが)権限でルール捻じ曲げるわ魔法少女同士を戦わせるために煽るわで、要は自分が楽しむために立ち振る舞うのです。
書いておくとファヴは1巻で退場し、restartは別のキャラが電子妖精として登場しますがファヴのような凶悪性は持ち合わせません。ファヴが特殊なのです。

諸悪の根源。ファヴが『死ぬ』場面はそりゃあもう溜飲が下がりました。
アニメ→小説の順で魔法少女育成計画にどっぷりハマってますが、アニメ版の最終話のクライマックスシーンは思わずガッツポーズを取りました。海外の人の実況動画がありますので適当に探して閲覧すると良いです。思わず同調してしまうでしょう。

ということで魔法少女育成計画の感想でした。
こんな良い子が死ぬなんて……って思わず涙がちょちょぎれそうになります。特にハードゴアアリスの一途な想いが。

まほいくシリーズの本領発揮は次巻のrestart以降ですね。凄い展開になっていますよ。

オマケ。
小説1巻は色々足した特別編集版もあります。
お値段が高くなりますが、お財布に余裕があったりそっちのほうが気になるーって方は特別編集版を買うと良いです。ウチはというと買ったあとで特別編集版の存在を知ったので買うに買えないような状態です。お財布を少し痛めさせば良いんですが、このために……うーんorzllll





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